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KTM 125DUKEに乗った

125ドゥーンとは……。
さすが、村上ショージ

究極のスベリ芸であるドゥーンを、125回もやってのけるのだ。
この56歳、独走である。

違った。
デューンじゃねえ。
デュークだ。
デューク東郷だ。

125デュークとは、すなわちゴルゴ13が125人いる状態を指す。
ゴルゴ13×125=ゴルゴ1625。
死角なしだ。

ゴルゴ13は20ヶ国語に流暢だ。
つまりゴルゴ1625は、2500ヶ国語の使い手である。

すげぇ。

しかし、世界には数千の言語が存在すると言われているのだ。
ゴルゴ1625も、わずか2500ヶ国語程度で満足せず、さらに精進してほしい。

話が進まないな……。

KTM 125DUKEである。

ちなみに「DUKE」とは、公爵のこと。
詳しく分からないが、かなり偉い位らしい。
じゃあ125デュークはエラいのだろうか?

オレはエライと思う。
ちょっとだけ。

エライのは、カッコよさとマジメな作りだ。
見て「おッ、かっけー!」「よくできてんな!」と素直に思える。
「安物感がねーじゃん!」と。

ところが、実際に安物ではなく、44万9400円もする。
1万円札を45枚出す。
500円玉1枚と、100円玉1枚しか返ってこない。

大問題だ。

支払額とお釣りのバランスが取れないではないか。
45万円出して、お釣りが600円?
何かおかしい。
ドーンと45万円も出すんだから、お釣りもドーンと43万円ほど返ってきてほしい。

オレが初めて買ったMBX50Fは、当時19万8000円だった。
高校生のオレにとっては、とんでもなく高かった。
それでも、どうにかなりそうだと思える金額だった。

イマドキの高校生は、「はっ、45万円! 安いものだね。じい、5台ほど包んでもらってくれたまへ」なんつって、軽〜く買っちゃうのだろうか?

25年ほど前の高校生は、確実に金がなかった。
デートも、ひたすら歩き回るしかなった。
だから、足が臭くなる。
ゆえにデートのことを「アシクサ」と呼んでいた。
……のは、我が母校だけの習わしであろうか。

今の高校生は金があって、足が臭くなることもないのだろうか?

……これは嗅いでみねばなるまい。
ではさっそく。
ツーン。
クッサ。

今の高校生も足が臭いことは、目にシミるほどよく分かった。
しかし現代の若者にとって、45万円がいかほどの価値を持つのかは分からない。
タコほどの価値を持つのかもしれない。

イカほどの価値なら、これはやはり10本だろう。
タコほどの価値なら、8本と言わざるを得ない。
(何が?)

イカ焼きは、イカそのものが焼かれている。
しかしタコ焼きは、球体の中にタコが封入されているのだ。
この辺りの待遇の差に、何か秘密がありそうだ。

いずれにしても、タコ焼き45万円は高すぎるのである。
いかに125デュークがドゥーン125回で公爵でゴルゴ1625で2500ヶ国語の使い手でカッコいいとしても、45万円は高すぎる。

雑誌やネットのインプレ記事は、
「すげぇ面白ぇ!」
「すげぇハイクオリティ!」
「すげぇオシャレ!」
「これならカフェに行けちゃう♪」
「こんだけいいモノなら、45万円は安い!」
といった調子である。

みんな金持ちだな!

オレに言わせりゃ、45万円は高い。
モノの価値に対しては、確かにリーズナブルなのかもしれない。
バイクを知る人ほど、「125デュークは安いよ!」と言うだろう。

だが、一般通念として、「45万円のバイク」は高い。
ヒジョーに高い。

オレの所有している自転車、TREK2.1は、18万円だ。

1 8 万 円 の 自 転 車 !

バカじゃねえの?
フレームはティファニーのイエローダイヤモンド製かよ!
サドルはカッシーナかよ!
タイヤはエルメスの本革かよ!

と思うだろう。

しかし、真性自転車乗りにとって、18万円はクソみたいに安いのだ。
クソがいくらで売買されているかは調査の余地があるが。

趣味への没入度と、経済感覚の麻痺度は、完全に比例する。
「○○マニア」と呼ばれる人々は、一般的にはまったく理解できないモノに対して、信じられないほどの高額を惜しみなく払う。

村上隆のくだらねーフィギュア、「マイ・ロンサム・カウボーイ」が16億円である。
オレにとっては「いらね」だけど、ある人にとっては16億円もの価値があるのだ。
125DUKEが45万円したって、「安い!」という人がいたって、おかしくはない。

……しかし、一般的な感覚からすれば、やはり45万円の125ccバイクは高い。
だって125って、高速道路にも乗れないんだぜ……。

「125デュークは、都会をスタイリッシュに走るのにピッタリ!」
「125DUKEで、ライダーズカフェに行っちゃうセレブな休日!」

へーそーですか。
しかし田舎暮らしのオレは、都会に出るために、高速道路を使う。
125デュークで、それはできない。
下道で都会に行くと、到着した頃には疲労困憊である。

排ガスにまみれセコセコと繰り返すクラッチワークに疲れ切って都会に出て、さらに首に妙な布きれを巻いてスタイリッシュに街を駆け抜けカフェでエスプレッソとスイーツをいただく、なんて余裕はないのだ。

さて、肝心のインプレである。
街中をチョロッと乗っただけなので、あまりアテにしないでほしい。

エンジンは高回転型だ。
「回してッ! ねえお願い、思いっ切り回しちゃってッ!!!」
と、上目遣いに訴えかけてくる。

しかし、しょせんは125cc単気筒。
思いっ切り回しちゃっても、大したことにはならない。

ただし、混雑した片側1車線の公道では十分に速い。
オレは正直、「やべぇ!」と思った。
「お願い回してぇん」の誘いに乗っちゃいかんのだ。

だが、回さないと走ってくれない。
ビンビン回すと十分すぎるほど速い。
ほどよい「間」がなく、さじ加減が難しい。
まだまだ若いのだ。

そして車体。
「おいで……。いくらでも好きにしてご覧なさいよ……」
と、下目遣いで余裕ありすぎ。

そう、余裕あり過ぎなのだ。
まるで大型バイクに乗っているかのような安定感、安心感。
こっちが何かをしかけても、動じる気配がない。
酸いも甘いも知り尽くした熟女のようである。

エンジンは小娘。
車体は熟女。

エンジンはAKB48
車体は川中美幸

エンジンはKARA
車体は夏木マリ

エンジンは少女時代
車体は岩下志麻

お分かりだろうか?
今の女性芸能人は、群れなければ成立しないことを。
熟女芸能人は、ピンでも成立することを。

そしてお分かりだろうか?
デューク125のエンジンは、攻め立てることができる。
しかし車体には、手のひらの上で遊ばされる。
アンバランスである。

うれしけしからん!

今出回っているインプレ記事の多くが、袖ヶ浦フォレストレースウェイというサーキットを攻めた時のものだ。
皆さん「楽しい!」「もっと攻められる!」と盛り上がっておられる。

オレはサーキットを走ったわけではない。
でも、125DUKEで街中を走っているだけでも、その雰囲気はよく分かる。

サスはよく動き、なおかつしっかりしている。
フレーム剛性は高く、ブレーキもよく効く。
タイヤは太いから寝かせられて、グリップも高い。
つまり、車体が完全に勝っていて、ライダーを誘い込むのだ。

こんなに余裕たっぷり熟女な車体を相手にしていては、ライダーはヤバさを察知できない。
そして125とはいえそれなりのヤバ領域に突入していく。
特に街中では。

そして限界点を越えた時に、熟女はスパッと見切るのだ。
「アンタ、私を相手にするには、100年早いわね」と。
そこまで攻め込んでみたわけではないが、そういう気配を感じる。

つまり125DUKEには、妖艶熟女な車体に惑わされないだけのキャリアを積んだ脂ギッシュな中年ベテランライダーが、お似合いなのだ。
そういうライダーなら、少女時代なエンジンをヒィヒィ言わせてはヌッホヌッホとほくそ笑むこともできるだろう。

逆に、アシクサ高校生ライダーが125DUKEに乗ると、KARAなエンジンこそお似合いだが、甘くとろける熟女な車体の罠に誘い込まれ、気付いた時には地獄の門、なんてことになりかねない。

オレは今、ハルナミニバイクレースCBR150Rに乗っている。
コイツのタイヤ幅は、フロント80、リヤ100である。
前輪8センチ、後輪10センチだ。

一方の125デュークのタイヤ幅は、フロント110、リヤ150。
前輪11センチ、後輪15センチもある。

CBR150Rの後輪より、125デュークの前輪の方が太いのだ。

アレは太いほどイイ(ものなの?)。
タイヤも太いほどイイのだろうか?

細タイヤのCBR150Rは、限界が低い。
すっげー低い。

だから、下手に寝かせるとすぐ滑るし、下手にアクセルを開けるとすぐ滑る。
いずれにしても、乗り手であるオレが下手こいている。
つまり細タイヤは、自分の下手さを思い知らせてくれるのだ。

ペシャペシャサスペンションや、ヘロヘロフレームも同様だ。

125デュークの太タイヤ&高剛性フレーム&WPサスに、その親切さはない。
「アンタそんなもんなの!?」
「見かけ倒しね!」
「もっと来なさいよ!」
「さあもっと!」
と、いつしかSM、じゃない、主従が逆転してしまう。

バイクとしての限界が低ければ低いほど、ライダーとしてのスキルの低さが分かりやすい。
バイクとしての限界が高ければ高いほど、ライダーは自分のスキルの低さに気付きにくい。

うまい人は、限界の高いバイクに乗ってもいい。
下手な人は、限界の低いバイクに乗った方がいい。

ちょっとおかしいかもしれないけど、これは事実だ。
バイクは、限界が高くても、安全性が高いわけじゃないからだ。

バイクの限界がいかに高くなっても、2輪である限り、転ぶ。
攻め立てていけば、いつかは物理的な限界が訪れ、破綻する。

その破綻を察知させてくれるスキが、限界の低いバイクにはある。
限界の高いバイクは、察知幅がとても狭く、いきなり破綻する。
エキスパートは、その狭い察知幅をしっかりと認識し、対処できる。
だからエキスパートなのだ。

それに、物理的な限界が低い=低速度域=少エネルギー量=少ダメージで済む。
多くのライダーは、できるだけ少ダメージで済む領域で遊んでいた方がいい。

125デュークは、いいバイクである。
非常によくできている。

高価さと、よすぎるデキを考えると、かなりのズルムケ、じゃない、ベテラン向けだ。
もしくは、ハナから攻めようなんて気にならない、羊みたいな人ムケだ。向けだ。

マニアのためのマニアなバイク。
KTMは元々がそういう会社なんだから、125DUKEもこれでいい。

でも今、我が国のモーターサイクルシーンにおいて小排気量クラスに求められるのは、とにかく1円でも安くて、見た目はそこそこで、パフォーマンスはダサくてもいいから、ライダーを育ててくれるバイクだと思う。

おわり。

テレビの「アナログ放送終了まであと○日」の警告表示が、スゴイことになってきた。「あと22日」の現在、画面の1/9ほどを占めている。あと10日になったら画面の半分、あと3日になったら画面全体、あと1日になったら画面の2倍ほどに膨れあがるのではないか。ワクワク。しかしよ、テレビを地デジ化するかどうかなんか、個人の自由だぜ。総務省が金出してくれるワケでもないくせに、うるせーんだよ! そんなに地デジ地デジって言うんなら、総務省もクリックしてみろっつうんだよにほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへ←このボタンをよ! お願いしますよお役人さん! お役人さんじゃなくてもお願いしますよ! とっくに地デジ化してる皆さんもにほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへクリック、してない皆さんもにほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへクリック!

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コメント

いい文章です。
確かにKTMはオッサン向けでOKでしょう。
若い子は免許取るのにも今はすごいお金かかるっていって取りませんからね。
3、いや、4無いで今は学生で免許持ってる人間も激減。
息子もやっと就職してから50ccですわ。

投稿: ラピ雄 | 2011.07.02 13:23

友人は結構バイクを乗り回しています。
自分は免許すら持っていません。


ストレス発散の方法、もしよかったら参考にしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=r5McGB552Dc
お役に立てなかったら申し訳ないです。

投稿: tabahiko | 2011.07.02 14:46

私もコレ、公道で乗りました、20分ほど。
すげぇ良いバイクだと思いました、ついうっかり買っちゃいそうなくらい。
45万は絶対値としては確かに高いけど、後悔はしないかなぁ多分。
30万のモンキーは、しばらくすると後悔するかも。

でもぶっちゃけ、250ccだったらなーて思いました。

乗り物としての出来よりも、モノとしての造り込みに感心しました。
マフラーの処理とか、外装品の合わせとか。
国内メーカーはゴテゴテと飾り立ててないで、
もっとスパッとシンプルなもの作れないのかなー、って思います。

投稿: jose | 2011.07.03 22:30

成る程。「もっと奥までいらっしゃいよ!男なんでしょ!さあ!」とかなんとか言うだけ言っといて手の平を返すとはあんまりですな。ちなみにKTM試乗会で二日間延々と乗り回しましたが「膝の一つも擦れないなんて、まだまだ坊やね・・・ウフ」としか言ってもらえませんでした。やはり心も体も裸のままで付き合えるバイクが性に合っています。

投稿: マッパGO!剛!GO! | 2011.07.06 07:17

楽しい文章でした。(笑)

ちょうどデューク125乗ってみたいと思っていたところでした。
昔RZ125で峠で走っていた脂ギッシュな中年ライダーです。

私的にはデューク125が

エンジンは志田未来。
車体は黒木瞳。

なら最高です!

ところで、

エンジンはインド製ですよね?
間違ってたらスミマセン。

インドのタクシー3輪リクシャや、ベスパをライセンス生産している会社が作ったエンジン。

15年前にインドに行った時、3輪リクシャは良く利用しました。ガチャガチャ言って全然走らない2ストエンジンでしたが・・・

そんなメーカーがKTMとコラボして作ったエンジン。非常に興味あります!


投稿: soso | 2011.07.06 18:03

>ラピ雄さん
若い人に目を向けないと、業界に未来はないと思うんですけどね……。

投稿: ごう | 2011.07.21 13:14

>tabahikoさん
AKB48の中では、高橋みなみだけが救いだと考えています。

投稿: ごう | 2011.07.21 13:15

>joseさん
カッコはいいですよね! 200DUKEが出るっつう噂もありますね。

投稿: ごう | 2011.07.21 13:17

>マッパGO!剛!GO!さん
ズバ抜けたHNですね。最高です。しかも「もっと奥まで」って。どこの奥ですか!! ホントにマッパでバイクに乗ったら、火傷しますよフフフ。

投稿: ごう | 2011.07.21 13:19

>sosoさん
志田未来知らねー。検索検索。おわっ、93年式! 若。そして黒木瞳は、オレ的にはなんか熟女感が薄くて……。インドってのもいいですよね。いろんな意味で猛烈な格差がありそうで、ちゃんとしてる所は相当ちゃんとしてる印象があります。

投稿: ごう | 2011.07.21 13:23

あまりの面白さに、つい読み込んでコメントまでしちまいました。
これから、たまにおじゃまします。

投稿: どもども | 2011.07.21 13:49

>どもどもさん
ありがとうございます。また「つい」来ちゃってください。ホントにたまにしか更新しないので、気ままに、気軽に、さりげなく…。

投稿: ごう | 2011.07.27 00:15

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