« joseさんへの返信 〜二輪誌のあり方についての私考〜 | トップページ | 子供の誇り 〜初めてバイクに触れた子供たち〜 »

アメリカンに乗った

パーッパパパパーパーパー、パーパーパッパーパー♪

ラッキー・ストライクのテレビコマーシャルで流れる、あの曲である。最高傑作だ。著作権の都合上、歌詞をモロに書くわけにはいかないが、ゴーウィザフレーヴァーリーズュー、である。カッコよすぎる。

今回、アメリカンバイク3台を走らせながら、ヘルメットの中で何度歌ったことか。

パーッパパパパーパーパー、パーパーパッパーパー♪
パーッパパパパーパーパー、パーパーパッパーパー♪
ポポポポ〜ン♪
パーッパパパパーパーパー、パーパーパッパーパー♪

あのコマーシャル、ハードボイルドすぎる。ガチガチの固茹でである。純粋に素朴に単純に「ヒューヒュー、カッチョええ!」と言いたくなる世界だ。「あ、知らなかったけどオレってこういう世界に憧れてたんだ」と隠れていた欲望が剥き出しになる。ちょっとちょっと、星条旗ビキニでも着ちゃおうかな、という気分になる。

久しぶりに見てぇ。あのコマーシャル。星条旗パンツを頭からかぶりながらyoutubeで探したら、あった! あったよ。すげぇ!!

※喫煙は、あなたにとって肺がんの原因の一つとなります。疫学的な推計によると、喫煙者は肺がんにより死亡する危険性が非喫煙者に比べて約2倍から4倍高くなります。(詳細については、厚生労働省のホーム・ページをご参照ください。)

※未成年者の喫煙は、健康に対する悪影響やたばこへの依存をより強めます。周りの人から勧められても決して吸ってはいけません。

※たばこの煙は、あなたの周りの人、特に乳幼児、子供、お年寄りなどの健康に悪影響を及ぼします。喫煙の際には、周りの人の迷惑にならないように注意しましょう。

目だけで語り合う、男と女。無言の物語。紫煙の向こうの、微妙な駆け引き。あ、何その思わせぶりな視線。あ、何その意味ありげな眼差し。何でそんなに視線を絡み合わせちゃってんの? 何その含み。何なのその余韻。やったの? ねーねーやった? やっちゃった? ふたりで。やっちゃったのかな? チェスを……。

クーッ! 最高ッ!! 何コレ今見てもカッコよすぎでしょう! オレにはまるっきり似合わない世界観だけど、だからこそ憧れちゃうぜーっ!

で、こういう濃ゆい世界にどっぷり浸らせてくれるのが、アメリカンバイクだ。クルーザーって言うんですね。でも完全にアメリカンでしょう。この感性、このスケールは、アメリカそのもの。アメリカでしかない。ジャスト・アメリカ。まさにアメリカ。行ったことないけど。

XV1900CU、1854cc。ちょっとしたクルマである。XVS1300CA、1304cc。サンバーの倍である。XVS950A、942cc。西暦942年、時の天皇は朱雀天皇である。3台合わせて4100cc。平均1366cc。標準偏差374cc。何だこの値は。

とにかく途方もねぇエンジンを積んだバイクで、すっきりと晴れ上がった青空の下、風を切りながら、パーッパパパパーパーパー、パーパーパッパーパー♪ ポポポポ〜ン♪ とゆくのである。メッキがピカピカと華やかだ。最高じゃねぇかよオイ! これをサイコーと言わずに何をサイコーと言おうか。

完全に浸る。たっぷりどぼーんと浸っちゃうね。もうね、完全に気分はアメリカ人。西湘バイパスルート66だね。箱根ターンパイクパイクスピーク芦ノ湖スカイライン箱根スカイラインブルーリッジ・パークウェイ

【参考データ】
西湘バイパス…全長20.8km
ルート66…全長3755km

箱根ターンパイク…標高差983m
パイクスピーク…標高差1439m

芦ノ湖&箱根スカイライン…全長15.7km
ブルーリッジ・パークウェイ…全長754km

アメリカンに乗ってアメリカ人イヒしたオレは、止まりたくね〜っ! ちょこまか発進停止したくね〜っ! ダーーーーーーッと走り続けていてぇ〜っ! と日本語で強く思う。それは【参考データ】で分かるように、本来のアメリカンが走る舞台がとんでもなく長ぇからで、しかしまぁ見事に地理的条件に対応したスタイルを作ったもんだと思う。パイクスピークは上らねぇか……?

日本の国土は、どう頑張ってもアメリカのように広大にはならない(たぶん)。でも、気分だけなら十分アメリカ人イヒが可能だ。心のはばたきは誰にも止められない。

街行く女子高生でも見かけようもんなら速攻で「ヒューヒョーヒャー、ねえちゃん乗ってくかい?」。シカトされて肩をすくめる。ハンバーガーショップを見かけようもんならウムを言わさず一番デカいハンバーガーに食らいつく。ヒゲはケチャップだらけだ。そういうテキトーなタテノリのフリーダム感がたまんねーッス。実際はやんないけど。

_dsc0079

ただし、バイクそのものは全然テキトーじゃない。XV1900CUも、XVS1300CAも、XVS950Aも、フツーのバイクの感覚から言えば、熟睡と言っていいほど寝まくりのキャスター角や、象の鼻より長いホイールベースなど、あり得ないジオメトリーの持ち主なのだが、見た目以上にフツーに走ってくれる。

ブレーキも効くし、ちゃんと曲がる。何ら困ることがない。テキトーに見えて、テキトーじゃない。ちゃんとケチャップだらけの口のまわりを拭いてからお店を出る、といった行儀のよさがある。アメリカンな見た目だが、中身はれっきとしたジャパニーズ。しっかりと「大和魂」を感じて安心できる。

もしかしたらハードコアなアメリカンファンからすると、「行儀よすぎんだよメーン! もっと荒々しく、もっと猛々しく! 生まれつきワイルドなんだよ!! F***!!」なのかもしれない。でも、すんなりアメリカンワールドを楽しむにはちょうどいい。

「ちゃんと曲がる」は、解説が必要だ。快適なワインディングロードで、「おおっ、曲がるじゃんいいねいいね曲がる曲が」「カッ、カカカッ!」。擦るのである。ステップを。すぐに。

言っとくけど、激攻めしたわけじゃない。速度域も低い。でも、特に回り込むような低速コーナーでは、瞬く間に擦る。瞬間擦り。瞬擦。

で、笑えるのが、失敗してちょっとオーバースピード気味にコーナーに進入してしまった時だ。なんせ巨体だし、すぐ「あっ、やべぇ曲がり切れねえ」となる。通常、曲がり切れない時どうするかというと、もうひと寝かせするのである(限界域よりずっと手前での話ね)。

するとですね。「カカカカッ、ガゴッ!!」とか言って、ステップじゃないどっかを強く激しく擦る音がするのだ。瞬擦→強激擦である。で、それ以上寝かせると明らかにヤバい雰囲気になる。どっかを軸にしてスコッとイクのではないかという暗雲が垂れこめる。つまり、それ以上寝かせられない。すなわち、曲がらないままである。

「あーーーっ!」とコーナーアウト側にはらんでいきながら、どうするか。自らの拙い操縦技術と、進入速度の読みの甘さを反省し、リヤブレーキなどかけながら、待つしかない。ひたすら反省タイムである。完全に正座である。あーあアメリカ人だったのになー。

「ごめんなさいごめんなさいオレがバカでしたホントにヘタクソで申し訳ございません」と反省しながら待つ。待つ。「もう二度と進入速度を読み違えたりしません決して無理したつもりはなかったんですけど結果的には無理したことになっちゃってる現状を心から反省し、あ!」と復帰できるのである(この間、約0.5秒)。

その瞬間の喜びと言ったらない。アーメンソーメン冷やソーメンである。「やった! やった! ありがとうございますありがとうございます。もう二度とこのような過ちは犯しません本当にありがとうございました」

そして次のコーナー。
「カカカッ」(瞬擦)、「カカカゴガガッ!」(強激擦)。
反省。復帰。感謝。

同じことやるし。だってやっぱ寝かせたくなるし。

というわけで、瞬擦→強激擦→反省→復帰→感謝を、延々繰り返す。反省と学習能力は別モノなのだ(きっぱり)。

でもさ、これ、十分楽しいぜ! だって延々ループの中で、「カカカッ」と「ゴガガッ!」の間にある、ビミョーなバンク角が分かってくるのだ。強激擦せずにコーナーをクリアできた時は、「うお、やったぜオレやったぜ!」とバンバンザイである。

コーナーはひとつひとつ曲率が違うし、そこに進入する車速も毎回同じではないから、当然バンク角も変化する。その中で、どうやって強激擦せずにコーナーをクリアするか。これはもう、いわゆるひとつの立派なスポーツと言わざるを得ないではないか!

それと、フロントタイヤを気にしなくていいってのは、解放されるね。スーパースポーツに乗ってると、いつもピリピリピリピリと前輪を気にしてて、そこが面白さだったりもするんだけど、アメリカンは構造上フロント荷重もクソもない(ことはないだろうけど、そんな感じ)から、旋回中もドーンとリヤに乗っかってるだけで、気楽だ。

で、うまく行ったらドーンとアクセルを開ける。この時も後輪をピリピリピリピリビリピリ気にすることなく、マジでカッチリとストッパーに当たるまで開けられる。……え? アメリカンでハイサイドってするのかなあ? すんげー迫力だろうなあ。

「ハイサイドは起こさない」という不確定な前提を頼りに、ためらいなくアクセルを開けると、平均1366cc、標準偏差374ccのアメリカンたちは、ズドババババッとラッキーストライク的加速を見せてくれる。いや、どちらかというとマールボロ的か。どっちでもいいが、なんかこう、自分がマッチョになったような気がしてくる。いいのいいの、自分の姿は見えないから。気分だけでいいの。

今回乗ったXV1900CU、XVS1300CA、XVS950Aは、それぞれテイストが違う。でも、その違いは決して優劣じゃない。どれも面白ぇ。でも違う。

アメリカンに乗ることとは、自分に合う味わいを探す旅なのだ。その旅を続けていくうちに、男はやがて、違いが分かりマッチョで無口になる。そして視線で女を落とす(古くせぇ言い回し!)リアル・ラッキー・ストライク・メン、RLSMになれるのだ!

女性ライダーもぜひアメリカンに乗って、視線で男を落とす(こっちは簡単そうだな)リアル・ラッキー・ストライク・ウィメン、RLSWをめざしていただきたい!

おわり。

ちゃんとしたインプレ記事は、5月15日発売予定のBiG MACHINE6月号に掲載予定。あ、5月15日って日曜日だ。どうなるんだろう。しかもゴールデンウィークだ。げ。どうなるんだろう。

にほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへ←「クリックしてね、って言うと、ヤダって言う。そうね誰でも」。そう、オレもマウスのクリック音が大嫌い。仕事柄Macに向かう時間が長く、しょっちゅうカチカチしてるからうるさくてしょうがない。どなたか静か〜なマウスをご存知ないですか? あとキーボードも。今はApple純正で静かな方だけど、それでもヤダ。静か〜なキーボード、ないかなあ。

Follow 5Takahashi←ツイッター。

|

« joseさんへの返信 〜二輪誌のあり方についての私考〜 | トップページ | 子供の誇り 〜初めてバイクに触れた子供たち〜 »

コメント

私の脳内アメリカンも刺激されました!

CMカッコいい~


マルボロは↓だって聞いたことあります(笑
Man always remenber love because of romance only

やっぱりロマンスですよね

いつかあの世界を味わってみたい!

投稿: Daichan | 2011.04.06 22:30

>Daichanさん
いや〜、何度見てもカッコいいッスよね。要するにバイクで店に来てコーヒー飲んでタバコ吸って金払って店出たってだけなんですけどね。

いいですね、「脳内アメリカン」。きっと誰もが持ってるんでしょうね、「脳内アメリカン」を。いいな、「脳内アメリカン」。すげー気に入った!

投稿: ごう | 2011.04.07 02:32

アメリカンというと、「カスタム」とか「スペシャル」とか「LTD(リミテッド)」って言葉がまず思い浮かんじゃうんだ、僕。
中高生の頃、僕の周りのバイクに興味ある連中のアメリカンに対する認識は「オッサンバイク」で共通してたよ。カッコイイなんて微塵も思ってなかったな。
アップハンに段付きシートのナナハンマルチの車体に東京風防とサイドケース付けて革の安全靴にジェッペル。うっわダッサ。何で大型乗れるのにそれなの?安かったから?ヘルニアだから?ってみんな思ってたんだよ。
見た目もそうだけど、みんなカタログの数字とか気にしてたからね。パワーウエイトレシオとか、いま思えば滑稽なほどにみんなまじめに計算してたね。あと、谷田部での最高速記録とか。
今は僕も押しも押されぬ立派なオッサンになったけど、ハーレーのスポーツスターシリーズ以外は、やっぱりアメリカンバイクを自分のお金で買いたいとは思わないや。
少し前に若い連中の間でアメリカンが流行した時は隔世の感があったね。
大型スクーターが流行ったのもよくわからないんだけどね。
だから僕はオッサンなんだろうね(ノ∀`)・゚・。 アヒャヒャヒャヒャ

投稿: オサーン | 2011.04.08 06:41

>オサーンさん
アヒャヒャて。しかし中学の頃に、休み時間にバイクの話ですからねー。ノートと教科書にはバイクの落書き。学校帰りは友達んチにシケこんでバイク雑誌の回し読み。今思えばすげー時代だ…。

投稿: ごう | 2011.04.08 10:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91489/51317575

この記事へのトラックバック一覧です: アメリカンに乗った:

« joseさんへの返信 〜二輪誌のあり方についての私考〜 | トップページ | 子供の誇り 〜初めてバイクに触れた子供たち〜 »