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【怒濤の】ハルナミニバイクレースに出た【9600文字】

どうせ長くなるから最初に結論を言っちゃうけど、レースって最高だよ!

超面白ぇ。超〜〜〜面白ぇ。ホントに面白ぇ。マジで面白ぇ。クソ面白ぇ。めちゃくちゃ面白ぇ。すんげー面白ぇ。

何でだろう?

……分からない。

特に終わったばかりのことを書くには、ポッポと熱い頭を冷やしながら整理しなくちゃいけない。めんどくさい。でも、エンドーさんが体調不良で飛び魚日記を書き上げられなかった分、オレが頑張ろう。……我ながら意味不明だが。

今回参戦させてもらったハルナミニバイクレースは、3月6日(日)、グンマ国キタグンマ州にある榛名モータースポーツランドで行われた。そしてオレにとっては、めちゃくちゃ面白かった。

それは、自分で決めた目標をクリアできたからだ。たったそれだけのことなんだ。

何が目標だったか。レース前の目標は、「絶対に転ばない」「メディア組でトップになる」のふたつ。特に「転ばない」ことは、大きな大きな目標だった。

「ああ、そうだよね。危ないしね。痛いし。転ばない方がいいよね。そりゃあ」

ちょっと違う。危険は最初から承知だし、痛みには強い方だ。転ばないと分からないこともある。サーキット走行に限っては、「やむを得ない転倒」っていうのも、あると思う。

でも今回は、絶対に転びたくなかった。ぶっつけ本番のレースで、後戻りするわけにはいかなかったからだ。

初コース、初マシン、(今年)初レースの「三初」である。事前練習も一切ナシで、いきなりのレースだ。フリー走行10分、予選10分、決勝10周約10分。つまり合計30分弱しか走れない。

オレの性格上、転倒直後にすぐ元通り、もしくは転倒前よりいい走りはできない。1回でも転んでしまえば、しばらくの間は転んだコーナーをコワゴワと走り抜けながら、マシンと自分の間に入った不信感というヒビを修復することになる。

走行時間が計30分弱しかないのに、そんなことをやっていられるハズがない! 出遅れるに決まってる。イコール、勝てるわけがない。だから絶対に転びたくなかったんだ。

勝ちたかったから。

今回は、暴君ノブアツに「ごうちゃん、エントリーしといたから。じゃ!」と言われ、ハルナミニバイクレース・フレッシュマンオープンクラスに強制参戦することになった。イヤも否もNOもない。暴君にそう言われたら出るしかないのだ。マシンはレーサー化してあるCBR150(レーサー仕様)のレンタル車両だ。

同じように強制参加の憂き目にあったのが、月刊オートバイ誌のナカムラさん、モトチャンプのコトブキさん、ライディングスポーツからは小説「レーシング少女」の作者である郁子匠(うべ・たくみ)さん、上毛新聞の正田さん、そして泣く子も黙るぐらい泣く東京中日スポーツのエンドーさんである。

この、ほぼ同条件の「メディア組」には、絶対に負けたくない。ひらたく言えば勝ちたい。

ナカムラさんは各誌でインプレ記事などを担当し、カッチョいい走りを披露している。ミニバイクレース経験も豊富だ。……負けられねぇ。

コトブキさんは全日本ロードレース取材を中心に活躍している。オレより若く、しかもネーミング入りのオリジナルツナギだ。……負けられねぇ。

郁子さんは作家である。オレのようなライターとは格が違う。しかもかつてMH80で筑波のレースに出ていたらしい。……負けられねぇ。

正田さんは創刊120余年、かつて室生犀星の詩が掲載された上毛新聞に勤務している。穏やかな人柄でいつもニコニコ微笑んでいる。……負けられねぇ。

エンドーさんはGPジャーナリストとしてあまりに著名だが、鈴鹿4耐優勝、8耐12位、マン島TTやマカオGP出場など華々しい経歴のライダーでもある。……負けられねぇ。

つまり彼らに勝てば、オレは「カッチョいい走りでインプレしつつ全日本ロードをバリバリ取材しながら小説も書いちゃう作家で、穏やかな人柄でありながら鈴鹿4耐優勝以上、8耐11位以上のGPジャーナリスト」になれるのである。

みんなオレより優れた人たちばかりだ。せめてレースで勝ちたいではないか。

正直なところ、「もしかしたらイケるかな」という思いはあったが、正田さん以外とは走ったことがないので、何とも言えない。それに何があるか分からないのがレースだ。例えオレの方が速かったとしても、一発スッ転んだら終了である。

未知の相手と戦う以上、手を抜くわけにはいかない。全力で走ってみるしかない。初めて走るコースで。初めて乗るバイクで。しかも転ばずに。

……どうすんの?

自分を信じる。

しかない。
それしかない。

「ぜってーコケない」「ぜってー乗れる」「ぜってー速く走れる」。やればできる子ちゃん的に、自分を信じるしかないんだ。精神的な意味だけじゃない。オドオドしていると、オドオドしか走れない。そんなんじゃ絶対タイムは出ない。バイクは乗り手の心を映す鏡だ。

かと言って、過信してもダメだ。自信が過ぎると実力以上の無理につながる。自分がスッ転ぶのはもちろん、他の人に迷惑をかけてしまう場合すらある。不信←→自信←→過信の間にある「いいポイント」を見つけておく必要があるんだ。

それはどこかって?
人それぞれだ。

オレは比較的、「過信に近い位置の自信」の持ち主だと思う。だから、自分を抑える方向に心の舵を切る。過信気味のままでいるとロクな目に遭わないことを、小さい頃からの経験則でよく知っているからだ。

一方で、「自信がないから」と、自信のないままに走っている人を見かける。それだと何の発展性もない。コワゴワオドオド走ってそれっきりだ。「どうも自信がないな」と思ったら、自分をアゲる方向に心の舵を切らないと、先に進みようがない。

つまりは、自分を知るってことだと思う。自分を(難しいけどできるだけ)客観視して、足りないものは補う、余分なものは削ってやる。そうやって、「ちょうどいいポイント」を作る。

オレは比較的その「ちょうどいいポイント」をある程度作れているから(←こう言っちゃう辺りが過信気味)、初コース初バイク初レースでも何とかなる、と思っていた。

最初は10分のフリー走行だ。何とかなった。転ばなかったし、いきなりの割にはそこそこ攻められた。タイムもポジションも分からなかったが、まわりとの比較ではそんなに悪くはなさそうだ。

CBR150、全然アリ。すげー楽しい。が、タイヤが細く、そんなに限界も高くなさそうな気配を感じる。あんまり無理できるタイプのバイクじゃないようだ。

「だからつまんない」わけじゃない。与えられた条件の中でどんだけ速く走れるかがサーキットの面白みだ。暴君ノブアツが押しつけるチビバイク・DR-Z50/70でも十分楽しいし、NSF100でも楽しいし、CBR1000RRでも楽しい。CBR150だってもちろん楽しい。「自分なりに速く走る」という目的が明確なら、マシンは何でもいい。タイヤも何でもいい。

「自分なりに」がポイントだ。

もちろんレースは他者との競い合いだ。けれど、自分と戦うためにこそ、他者と戦う場が必要なんだ。自分ひとりだと、完全に甘える。人と競り合い順位付けされることで、甘える余地なく、自分と戦わざるを得なくなる。

フリー走行の後、自分の走りがどうだったか、周りの人に聞いた。高速の1コーナーが特にダメっぽい。「もっと勢いよく突っ込んでいけるはずなのに、減速しすぎじゃね?」と言われる。うーむ確かに。高速コーナーは好きなはずなのに、今日はうまく行かない。

でも、うまく行かないのには、きっとワケがある。オレに言わせると、CBR150で高速コーナーに突っ込んでいくと、車体とタイヤがうまくついてこない感がある。フロントがタタタッと跳ねたり、何となく頼りない感じがする。

ミニバイクだとそういう感覚があっても「気にしてられっか! 行ったれ行ったれ〜!」と思えるのだが、CBR150だとそういう気分にならない。

そして予選。やっぱり1コーナーが怖い。……怖い? 怖いなんて思うことはめったにないのに。どうしても、何かイヤな感じが拭えない。そんな中、混走のNSF100などミニバイカーな人々は、「バーローテメー細けぇこと言ってねーで寝かせろバーカバーカ」というような勢いで、バンバン攻めている。

1コーナーはみんなが見ている場所なので、オレだってイケてる走りを見せたい。でも、なんか転ぶ気がする。「絶対に転ばない」ためにも、カッコ悪くても、1コーナーは相当慎重に走る。

ラインが整わず、正しいギアも見つけられず、毎周違う走りになる。悔しい。全然面白くない。「自分なりに」速く走れない。「やっぱり寝かせてみた方がいいのかな」と一度トライしてみたら、軽くハイサイド気味になった。やっぱあんまり寝かせちゃダメだ……。

タイムは51秒1。総合10番手、メディア組ではトップだ。うし、ふたつめの目標は達成した。でも、さほど気持ちは盛り上がらない。最大の目標である「絶対に転ばない」ことに関して、あまり自信が持てなかったからだ。マシンとのリンクが希薄で、分からないことが多すぎる。正直、もう少し走りたい。

おそらくオレは(そして恐らく多くの「最近のライダー」は)、恵まれたエクイップメントに慣れすぎている。しっかりした車体、パワフルなエンジン、ハイグリップなタイヤ。そうじゃないモノでどうするか、どう「確信できる走り」をするかがよく分からない。

「どんなバイクやタイヤでも楽しい」などと聞こえのいいことを言いつつ、本心では「ちょっとでもいいエクイップメント」に逃げようとしてしまう。つまり決定的に自分の腕が足りないのだ。CBR150はそのことを剥き出しにしてしまう。恐ろしいバイクだ……。

しかし今さらどうしようもない。テクニック不足に直面したまま、レースを迎えなくてはならない。どんな展開になるか分からないっつうのに……。過信寄りの自信が、不信寄りになっていく。ヤバイ、ヤバイ、ヤバイ。自分の持ち味すら失われていく。

フレッシュマンオープンは29台で争うクラスだったが、予選タイムの上位15人がジュニアオープン、残りの14人がフレッシュマンオープンと2組に分けて決勝を行うことになった。「ジュニアオープン」には、メディア組からは予選10番手のオレ、15番手のナカムラさんが出場する。

まずはフレッシュマンオープンの決勝だ。オレは観戦。コトブキがいいスタートを切って、3番手につける。テメーかっこいいじゃねぇか! 後ろにオレのレース仲間、ナイトさんが迫る。コトブキ、それを知ってか知らずか、泰然自若のマイペースの走り。徐々にナイトさんを引き離し、3位でフィニッシュ! やるじゃねぇかコトブキ! ナイトさん、次は一緒にコトブキをやっつけましょう!

後方ではエンドーさんが郁子(うべ)さんをがっつり押さえている。郁子さんの方がペースは速いが、抜けない。前にも書いたけど、前走車を抜くのって、はたから見ている以上にしんどい行為だ。「抜きたいけど抜いていいのかな〜。どうやって抜けばいいのかな〜」と全面的に「いいのかな〜」と悩んでいるのが見て取れる。どうしたレーシング少女! 気張れ! レーシング郁子! いいからエンドーさんのインに頭突っ込みゃいいんだよ! 作家なんだからライターなんて蹴散らしちゃえ!!

じれじれした展開にふと目を離したら、いつの間にかエンドーさん、レーシング郁子とさらにその後ろにいたライダーにもパスされていた。後で聞いたら「青旗が振られたからさー。行かせなきゃいけないのかなー、と思って」とエンドーさん。さすが鈴鹿4耐優勝ライダー、しっかり旗を見ている。

恐らくトップがエンドーさん集団を周回遅れにしようとして後方から迫り、青旗が振られたのだろう。好々爺になりつつあるエンドーさん、トップだけではなく、同一周回で争っていたレーシング郁子にも道を譲ってしまったに違いない。見てないから推測だけど。

皆さんのレースを見ていて、オレはすごく心が動かされた。いつも飄々としているコトブキも気合いが入っていたし、レーシング郁子も「抜きたい、抜こう、でもどうしよう」と意気込んでいたし、エンドーさんも老体に鞭打ってシブい走りを見せていたし、正田さんは歴史ある新聞社勤務にふさわしいシュアなレースを戦い切った。

言ってしまえば「遅い組」の彼らだったが、みんなそれぞれに頑張ってレースをしていたのだ。タイムの速い遅いじゃない。腕のあるなしじゃない。モノの善し悪しじゃない。レースっていうのは、姿勢そのものなんだ。

全周見渡せるコンパクトなコースで彼らの姿を目で追っているうちに、オレは彼らと一緒にレースを走ることができた。コトブキの、レーシング郁子の、エンドーさんの、そして正田さんのレース魂を、オレは受け取れた。

オレはオレのレースを戦わなくちゃ。

そして臨んだジュニアオープンクラスの決勝レース。ずっと晴天だったのにいつの間にか雲がかかって、気温がグッと下がった。路面温度も絶対に下がってるはずだ。イヤな予感がする。

ピットアウトしてグリッドにつくまでのアウトラップで、何度か滑った。前も、後ろも。やべぇ。こりゃやべぇ。ぜってーやべえ。でも予選よりはタイム出してえ。「51秒1」って微妙なコンマ1がヤダ。どうせなら50秒台に入れたい。

レースがスタートする。前にチビッコふたりと、同じCBR150のぴんくさん(リザルトよりお名前ピックアップ)がいる。最初からペースが速い。当たり前だ、これはレースだ。のんびりタイヤを温めてるわけにはいかない。

が、オレはイヤな予感がしている。その中で、オレなりに懸命に走る。集団に引き離されたくない。けど、じんわりと離れていく。フリー&予選の時とはフィーリングがまったく違う。とにかく滑る。フロントが切れ込んで前からイッちゃいそうになる。こええぇぇぇ。

と、目の前でチビッコふたりが転倒! ぴんくさんもそれに気を取られたのか、あっちをキョロキョロ、こっちをキョロキョロと落ち着きがない。集中できていないのが分かる。恐らくギア抜けか何かで、ヘアピンの立ち上がりで失速する。さほどの失速じゃなかったが、シフトのあたりを覗き込む仕草。完全に集中してない。

抜く!
抜ける!

次のヘアピンまでの間でぴんくさんをかわし、前に出る。

抜いた。
でも、さー困ったぞ。

今抜いたぴんくさんの方が、オレより確実に速い。後ろから見ていて分かった。なのに今、オレの方が前にいる。ぴんくさんはオレを抜こうと再三仕掛けてくる。オレより速いぴんくさんが。オレより速い。オレより速い。スーッと冷静になっていく自分がいる。やばい悪循環だ。

過去何度かレースしていて、後ろにオレより速い人がくると、割とあっさりパスされてしまう自分に気付いた。「だってチミの方が速いからボクに追いついて、抜こうとしてるんでしょ?」「じゃあいいじゃん、行けばいいじゃん」と。

しかもパスされ、じわじわ引き離されていくと、「そりゃそうだよチミの方が速いんだから」「いいのいいの。速い人はお先にどうぞ」と、すぐ諦めムードになってしまうのだ。

つまり、自分と同じレベルの人としか、レースができないのだ。自分より速い人を押さえ込むことも必要なのに、そこは妙に冷静になってしまって、「どんぞどんぞ」と譲……りはしないけど、さほど努力もせずに、すぐ諦めてしまう。

今回もまた同じことになるのかな……。

気持ちがネガティブ方向に振れていく。

そうこうしているうちに、別のライダーにバシッと抜かれる。NSF100のようだ。抜いたと思ったらすぐ目の前でスッ転んだ。やっぱり路面温度が低いんだ。あやうく接触しそうになったが、そのことよりも、ぴんくさんに抜かれることの方がイヤだと思った。

そうだ。オレは抜かれたくない。絶対イヤだ。オレは自分に負けるわけにはいかない。榛名には、ちょっと特別な思いがあるんだ。

オレはレース中に、この日3つめの目標を決めた。

「絶対押さえる」

オレがどうしても突っ込みすぎてラインがワイドになる左ヘアピンの3コーナーで、ぴんくさんがインを突いてくる。ほとんど前に出られてしまうが、次が右コーナーなので、ぴんくさんはアウト側になる。アウトから抜かれるほどの速度差はなさそうなので、そんなにあわてなくてもいい。けれど、最後に仕掛けてくるとしたらココだろう。

1コーナーは相変わらず不安があって全然攻められない。ちょっと頑張ってみたらオーバーランしそうになったので、もうここは捨てる。仮に1コーナーでインを突かれても、高速な2コーナーを経て、ヘアピンの3コーナーへの突っ込みでぜってー仕掛けられる。それは自信がある。

立ち上がりで抜かれるとしたら3コーナー。突っ込みで抜けるとしたら3コーナー。いずれにしても3コーナーだ。

ずっとぴんくさんを後ろに従えたまま、周回が進む。ぜってーおさえる。ぜってーおさえる。ぜってーおさえる。と、自分に言い聞かせる。走りはしっちゃかめっちゃかだ。滑ったり、ギア抜けしたり、1周たりとも気持ちよく走れない。もういい、テキトーで。「うまい走りを」なんてきれい事は言わない。タイムもいらない。転びさえしなければ、ぴんくさんさえ押さえられれば、ダサい走りで十分だ。

そしてチェッカーを受けた。ぴんくさんを押さえたまま。

やった! やった!! やった!!! 押さえ切ったぜヘイヘイヘイ!!!!

レースがスタートして、状況を判断しながら自分が決めた目標を、ちゃんとクリアできた。順位は総合で5位、CBR150の中では2番手だった。しかもベストラップは50秒8。はちゃめちゃな走りでタイムなんか捨てていたのに、予選以上のタイムが出せていた。

チェッカーを受けてからのクールダウンで、ぴんくさんと会釈で挨拶を交わし、ピットでは握手もできた。ぴんくさんに勝った、という気はしない。オレを引き上げてくれたんだ。ありがたいと思った。

レース前に目標にした「絶対転ばない」「メディア組でトップになる」、そしてレース中に目標した「絶対押さえる」は、これですべて完遂できた。ようやく喜べた。心から。曇りなく。しかも50秒台というオマケ付きだ。文句ない。

す っ げ ぇ う れ し い !
め ち ゃ く ち ゃ う れ し い !

しょせんは、ささやかな目標なんだ。他の人にとっては取るに足らない、どうでもいいこと。歩いている人がまったく気付かないまま通り過ぎてしまうような、ささいな起伏。でも、オレはオレのレースをやり遂げることができた。

……そういう「マイレース」を、みんながひとりひとり戦った。レースは、ひとりで走るわけじゃない。シグナルを合図に、何人かで一斉に走る。合唱とか合奏みたいなものだ。みんなそれぞれに違う音色で、違う強弱で、違う音を奏でてる。それがグワッと合わさって、ひとつの音楽みたいな「うねり」になるんだ。

すごく素敵なうねりが、榛名モータースポーツランドを包む。
もうね、たまんないぜ……?

ほらー長くなった。終わったばっかりで書くと、こんなに長くなっちゃうんだよ。熱くなっちゃってるから。でもまあ、たまにはいいか。っていうかこのレースのこと、ヤングマシンの「バイクでスポーツする」に書くんだよ? ここまで9000文字近く書いといて、まだ書くことあんのかって?

あるんです。

しかもこの記事、まだ続くんです。

え? おまえの書くブログは長すぎるって? 短いのがお好きなあなたには、ツイッターも用意してますわよ。@5Takahashi

今回の「メディア組」の皆さんは、仲がよくて、ゲッハゲッハ笑いまくりの1日だった。実はハルナミニバイクレースは、結構本気なレースイベントだ。何度もスッ転がってボロッボロになったレーシングスーツを着た子供や、何度もスッ転がってボロッボロのポケバイや、油汚れで手が真っ黒なおっかさんや(おっとさんじゃない、おっかさんだ)、何かもうヌシみたいなオッサンがゴロゴロしている。いわば次世代レーシングライダーの巣みたいな場所である。

そんなところに、「あー腰痛ぇ」「くしゃみ止まんねぇな」「えー、ごうおまえ2時間も寝たのかよ? オレ徹夜」「バイクで走るの10年ぶりだよ」「ツ、ツナギが入らない…」などというツナギ姿も様にならない連中──すなわち我々「メディア組」がポロッといて、ゲラゲラ笑っているわけである。

いいじゃねーか! ダサイながらもオレたちだってレースをしたんだ。レースの楽しさはみんな同じさ! 速い遅いじゃねぇんだよ!

と、暴君ノブアツも、考えている。はずだ。たぶん。

だから彼は、今年からハルナミニバイクレースを主催するにあたって、「150cc以下なら何でも参戦OK」というユルユルなフレッシュマンクラスを設けたのだ。このクラスはタイムによって暴君の手によりウムを言わさず強制的にステップアップさせられる。

今回も、オレはできれば下位であるフレッシュマンオープンで決勝を走りたかった。ぜってー勝てるから。クラス分け発表の後、ナカムラさんと一緒に、「メディア組は全員一緒にレースさせてよー」とゴネてみたが、暴君は決して首を縦には振らなかった。「るせー、ちゃんと上のクラスで走れ! あとはココ(二の腕をパンパン叩く)で何とかしろ!」と一喝である。

暴君ノブアツは、なるべく多くの人に、レースを気持ちよく楽しんでもらいたいと、ピュアに考えている。だから我々メディアとも癒着しない。そしてオレの大好きな「弱い者いじめ」を決して容認しない。これは彼の、断固として譲れない理念なのだ。そして、こういう純粋な理念が貫かれているイベントは、とても気持ちがいい。

彼が苦労しながらCBR150のレンタル車両を用意したことも知っている。今回は開幕戦ということで我々メディア組がありがたく使わせてもらったが、今後はシーズンを通して誰もがレンタルして、レースできる(はずだ)。

きっと多くの人が「ボクにはレースなんて」と思っているだろう。でも、少なくとも暴君・青木宣篤が主催するハルナミニバイクレースには、「あなたが自分の音を奏でられるレース」がある。

あ、やべぇつい仕事ノリの原稿みたくなっちった。でもホントにそう思うよ。出る、出ないはあなたの自由だ(オレは強制的に参戦させられたが)。でも、「出てみたいな」と思った時に、こういう場を用意している坊主頭の男がいるってことは、頭の片隅にでも。そして珍しく時間をかけてブログを書き、なんと仕事以外で徹夜しちまって、間もなく取材に出かけようという男に、愛のクリックを……。にほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへ

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コメント

あ、次はCHIBIバイクもエントリーしておくからダブルでよろしく!

投稿: の | 2011.03.08 23:44

>暴君の
出たーッ!「しとくからよろしく」節炸裂ーッ!「あ、」じゃないよ「あ、」じゃ。……Wエントリーかぁ……(ニヤリ)。

投稿: ごう | 2011.03.09 17:43

エンドーさんにホントの理由バラされちゃってますよ(笑)

レース楽しいよね
久々に筑波でゴウさんとバトルしたいな~
筑波のレース出ないの?

投稿: しの | 2011.03.10 01:18

>しのさん
しのさんとのバトル、楽しかったなぁ。今筑波を走ったら、何秒ぐらいで回れるのかな。勝負にならんでしょう…。でも、何か筑波のレース出たいな。

ちなみにツイッターにも書いたけど、エンドーさんのアレは事実ではないので何ともないです。

投稿: ごう | 2011.03.10 07:05

お久しぶりです。
トーチュウのエンドーさんの「飛び魚日記」に骨折の原因が書いてありましたけど、公表しちゃっていいんですか?
オートバイが原因じゃないとは聞いてましたが、そういう原因で骨折したんですか。へー。

投稿: よしちか | 2011.03.10 14:00

>よしちかさん
事実とは異なります。実際はもっとひどい話で、たくさんの方にご迷惑をかけたこともあり、ここで言うつもりはありません。

投稿: ごう | 2011.03.10 20:33

またまたー。
まあそういう事にしておいてあげます。

投稿: よしちか | 2011.03.10 22:38

>よしちかさん
「そういう事」なんです。できれば記事についてコメントしていただけると、大変うれしく思います。

投稿: ごう | 2011.03.10 22:56

ヤングマシン買いましたよ~
6月もよろしくです!

投稿: ピンク | 2011.04.27 05:46

>ピンクさん
ぎゃーっ! 真のライバル登場!! しかも、ひらがなからカタカナにアップグレード!!! 何やらNSF100をごにょごにょ、との噂も聞きましたぜ。……ってかオレ、6月も出ることになってるの?

投稿: ごう | 2011.04.27 09:00

ハルナかあ、懐かしいな
昔、スクーターでレースしてました
スピードは遅くとも純粋に速さを競う点では、どんなレースも同じ
自分と戦い、ライバルと競り合い、深刻ぶらずに楽しく前向きにバイクと自分の関係を深め行けた
ミニバイクレースと出会わなかったら、とっくにバイクを降りてるかもしれないな

投稿: zook | 2011.05.08 01:16

>zookさん
高校の時、バイク友達がスクーターやミニバイクレースをしてるのがうらやましくて仕方なかったですよ。いや〜、レースいいですよね! ミニだろうがデカだろうがオンだろうがオフだろうが、レースはいい! と思います。

投稿: ごう | 2011.05.10 08:27

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