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難波恭司、鈴鹿8耐に参戦

男でも、女でも構わない。「アイツ男気あんなー」と思わせてくれる人は、カッコいいと思う。

難波恭司さんは、男気ムンムンの人だ。

数人でバイク遊びの約束をすると、めちゃくちゃ周到に準備してくれる。思いのこもったピカピカのバイクを借りて遊び放題に遊び、「じゃ!」と爽やかに我々が撤収した後、ひとり黙々と泥だらけ&ボロボロになったバイクを後片づけしてくれるのだ。

ね? 男気にあふれてるでしょ? カッコいいでしょ? ……つか、オレらが勝手すぎなんじゃね?

仕事で丸1日バイクに乗り、「あ〜、疲れた。ちょっと休憩したいからバイクに乗ってくるね!」というほど、頭の中がバイクバイクバイクバイクウサギバイクバイクで男気まみれの難波さんが、今年の鈴鹿8耐に参戦することになった。

加齢なキャリアじゃなかった、華麗なキャリアを持ちながら、なぜか8耐には縁がなかった。「だって暑いのキライだもん」と公言してはばからなかった難波さん。しかし北海道・旭川在住の友人・安孫子勝利さんが「難波さんと8耐出たい〜。出たい〜。出たい〜。出る〜。出させて〜」と、3年にわたってしつこく粘り強く諦め悪く誘い続けたところ、「ま、北海道なら涼しいからいいか」と、ついに8耐参戦を決めたのだ。……8耐が行われるのは今年も鈴鹿ですよ難波さん。

出血大赤字覚悟のプライベーター体制。使用マシンはYZF-R1のレース仕様車をベースに、最小限のモディファイを施したもの。ハッキリ言って勝利にはあまりに程遠い。

しかし、男と男の間に交わされた暑苦しい気持ちだけが、8耐というビッグレースへの参戦を決意させたのである。なんつうか単純つうか、でもかわいくていいじゃない? こういうの。

「モチベーション、フィジカル、目的……。自分が納得できる要素が整ったから、参戦することにしたんだ。暑いのはホントにイヤなんだけどね(笑)」と難波さん。やることはやる。イヤなものはイヤ。男だ……。

チーム名は、「北海道サベダー」。安孫子さんを中心に、北海道の仲間たちが主に運営する道産子チームである。チームの詳しい情報は、コチラのオフィシャルウェブサイトをご覧いただきたい。

もしくは、超絶賛発売中のビッグマシン7月号を各自数千冊購入のうえ、P124〜125をご一読ください。ビッグマシン誌では、7〜9月号の3号にわたって北海道サベダーの活動を追う予定だ。チェケラ!

つうわけで、ここではズバリ、チームからの募金のお願いである。

普通のレーシングチームは、スポンサーフィーを募る。カンタンに言ってしまえば、「我々に投資してください。その代わりこんなメリットがありますよ」という話だ。

しかし北海道サベダーが募っているのは、募金である。……いったい何が違うのだろうか?

「はっきり言っちゃいますけど、私らお金も体力も若さもなーんもないプライベーターだから、好成績は望めません。お金を出してもらっても、威張れるようなメリットはなんもないんです。なんも。だからスポンサーだなんて、畏れ多くて。
 だけど、だけどですよ。我々には気持ちがあるんです! バイクで真剣に遊ぼうという気持ち。バイクで真剣に楽しもうという気持ち。それだけは、どんなファクトリーチームにも負けません。そんなわけで、この不景気でも見返りを求めない奇特な皆さん、善意の募金をお待ちしています!」(以上、チーム関係者から聞いた話を独自にまとめました)

ということなのだ。考えてみれば、募金も「お気持ち」。気持ちだけのチームに、募金システムはぴったりなのかもしれない。

「見返りを求めない出費」。何ともぜいたくではないか。これぞリッチ・フレーバー。何となく貴族にでもなったような気分である。

さっそく財布から福沢諭吉をつまみ出してしまったアナタは、これ以上読む必要はない。素早くこのページにアクセスし、企画書をダウンロード。募金方法に従って、どばばばーんと募金しちゃってください。

しかし、「うーん、そーねぇ、財布の小銭が邪魔くさいから49円ぐらいなら出してもいいけどぉ、何がなんだかよく分かんないしぃ」というアナタは、この先に延々と続くうんざりする長文を、頑張って読み進めてほしい。

チームの成り立ちや、どんなチームなのかは、この企画書(←比較的どっしりしたPDFに直接リンクしてます)を熟読していただければ分かると思う。

そこで、ここでは難波さんについて書きたい放題書いてみたい。

難波さんは全日本ロード250ccクラスで活躍し、同時にヤマハ市販レーサーの開発に携わって槍が降る日以外はバイクに乗りまくり、しまいにはYZR500もテストしちゃったりして、おまけに98年には世界グランプリの最高峰・500ccクラスにスポット参戦し、鈴鹿サーキットで行われた日本GPでは予選2番手をもぎ取っちゃったりもした。ちょっと前のNHKのGP中継の解説者として知っている人もいるだろう。

そういう雲上人なのに、一緒にいると仕事中でもゲラゲラと笑ってばかりなのだ。とにかくバイクが好きで、バイクさえあればゴキゲンで、飾らず気取らず偉ぶらず、率先してくだらないギャグを言っては周囲を凍り付かせ、しかもひとたび走り出せば天下一品のテクニックでアッヘアヘなのである。

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↑こういうタンデム写真を撮りたいとする。

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↑(堂々と)「ああ、タンデム? これでいい?」

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↑「よしGOくん甘え気味に伏せろ!」「了解!!」

一事が万事この調子で、いちいちめんどくさいっちゃあ、めんどくさい。写真のバイクは、XJ6 Diversion。彼女にも、そちらの彼氏にもオススメのいいバイクだ。

体調が悪く、取材前日はほとんど寝たきり状態だった時もあった。翌日も本調子ではないはずなのに、「大丈夫スか? 大丈夫スか? ねえねえホントに大丈夫スか?」と聞くと、「ぜ、全っ然大丈夫! むしろ絶好調だから!」と言い張り、そそくさとバイクに乗ってくれる。

真冬のすげぇ寒い日に「寒くないスか? 寒くないスか? ねえねえホントに寒くないスか?」と聞くと、「ぜぜ、全っ然寒くない! むしろ暑いから!」と言い張り、いそいそとバイクに乗ってくれる。

「大丈夫か」「寒くないか」としつこく心配することで、負けず嫌い魂に火を付ける作戦が、カンタンに功を奏する。難波さんは、実にコントローラブルなのである。

プライベートでも何度か一緒にバイクで遊んだが、「あ〜、この人ホントにバイクが好きなんだなあ」と、そのつど思った。しかも、めちゃくちゃうまい。そのうえ理解度、信頼度ともにハンパない。業務としてテストライダーを経験している人たちは、走る量もすげぇし、求められる質もすげぇし、とにかく別格だ。

なおかつ、エラソーにあーだこーだ言われたことが、ただの一度もないんだ。これが難波さんのスゴさだとオレは思う。

バイクって、なぜか求道的になっちゃってる人が多くて、ちょっと乗れる人はすぐにしかめっ面して「ナニナニでなければならぬ!」「ナニナニせよ!」みたいなフンイキに陥りがちだ。

しかし難波さんには、そういうめんどくささが一切ないのだ。もちろんコッチのレベルに合わせてくれてのことだと思うが、「難しいことはいいから、とにかく乗ってみ?」「考えすぎないで走ってみ?」「遊んでみ?」と、笑顔で言うばかりなのである。

一緒にいるコッチとしては、「あ、そっか。楽しめばいいのか」と、フッと力が抜ける。バイクに乗るうえで、この「脱力」はかなり大事なのだ。

かといって、決していい加減ではない。遊びに懸ける意気込みは凄まじく、常に本気で真剣だ。もうホントに、バカみたいに本気なんだ。

一度、お遊びレースに数人で参戦した時も、難波さんが飛び入りで応援に来てくれた。浜松から、150ccのバイクに乗って、筑波まで来ちゃったんだぜ? そして「ぜってぇ勝たせる!」と自ら率先してあれこれ体を張ってくれた。場を緊張させることはない。けれど、遊びへの真剣度合い、集中度合いが、確実にチームのモチベーションを高めてくれた。

そんな難波さんが、鈴鹿8耐に参戦する……! しかもプライベーターで、我々にも手が出せるんじゃないの? という体制だ。何かしたいじゃない! 手伝いたいじゃない!

オレは文章を書くのが仕事なので、文字関連で役に立てることがあるかもしれない。ということで、先に紹介したチームの企画書は、オレに書かせていただいたものだ。それをデザイナーである総監督ケンケンが、爆発的クリエイティビティで仕上げてくれた。

バイク屋さん、看板屋さん、ライター、カメラマン、ウェブデザイナー、編集者、広告営業マン、ナントカ、カントカ。まわりには職能を持った人々がたくさんいる。その人たちが、「うっしゃー。難波さんが8耐に出るなら、手伝おうぜ!」と、熱く燃え盛っているのだ。

面白いって。絶対。だから募金してみ?

いや、募金はしてもしなくてもいい。強制できるものじゃないし。いややっぱり募金してもいいけど、万一しなくたって、何らかのかたちでこのチームを応援してほしい。安孫子さん、50歳。難波さんは47歳。応援というより介護してほしい(難波さん談)。

アイデア、人手、技術、募金、介護、愛、笑顔、なんでもいい。人生のうち一夏ぐらいは、北海道サベダーに手を差し伸べてみてはどうだろうか。

見返り? だから何もないってば! 気持ちだけなの、気持ちだけ。

……いや、きっと何かある。

それはチェッカーを受けた時の感動かもしれないし、うまく行かなかった時の落胆かもしれないし、今は想像もつかない何か、かもしれない。でも、きっと何かある。と、オレは思ってる。

何かあると思えば、何かあるんだよ。気持ちひとつで、世の中なんかいくらでも変わる。自分の目を、心を、変えるだけでいいんだからさ。魔法なんて、自分で自分にかけるもんだ。

だけど、にほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへこのボタンのクリックだけは、自分ではどうしようもないんだ。同じ人が1日に何回何十回何万回何億回クリックしようと、1としかカウントされないんだもん。だからさ、愛のワンクリックでいいんだよ。ワンワン、じゃなくていい。ワンでいいんだワン。何言ってるか自分でも分からないワンクリックにほんブログ村 バイクブログ バイク モータースポーツへ

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コメント

にゃんにゃん師匠が遂に参戦ですと⁈
チーム名も【北海道ダベサー】⁈
【北海道参戦サベダー】ですよね⁉
ガンバレ師匠‼
募金は残念ながらワタクシ現在無職なリハビリ君ですので…

投稿: 吉田大佐 | 2010.06.23 02:12

>吉田大佐/皆さん
北海道サベダーの募金活動、着々と全国に広まりつつあるようです。チームのブログ( http://hokkaido.sabeder.jp/ )やツイッター( http://twitter.com/sabeder )によると、北海道各地やYSP富士吉田、YSP福山など各所に募金箱が設置されている模様。「チャリン、じゃなくて、パサッて音がする」らしいですぜ、とブラックジャック化。

投稿: ごう | 2010.07.02 07:18

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