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中野真矢、公道を走る

どんより曇った月曜日、中野真矢選手プロデュースのショップ、「56design」に行った。

大型2輪免許を取得したばかりの真矢くん、今回は公道でバイクを走らせながらのBiG MACHINE誌用の撮影だ。写真を撮ったのは、今やプロカメラマンというよりダートトラッカー化が著しいタカシマヒデヨシ。バイクはアプリリアRSV1000RファクトリーSHIVER750だった。シヴァ? ヴァ? ヴアアアァァァー!

って叫んでても仕方ないので調べてみたら、“shiver”って英語なんだ。「震え、寒け」だって。ちょっとした風邪みたいなネーミングですね。

しかしアレですな。いきなり「アレですな」って言われても困るか。昨今の生粋純粋培養レーシングライダーたちは、公道を走らずに、サーキットだけを走って速くなっていくのだ。ポケバイ、ミニバイク、ロードレースとクローズドコースの中でステップアップしていくケースが多いから、レーシングライダーとして順調であればあるほど、公道を走るスキも意味もないってことだ。

彼ら生粋純粋培養レーシングライダーの多くは、一般市販車にほとんど興味や関心を示さない。「あ、そういえばこの乗り物、タイヤが2つ付いてる」「オレがふだんレースに使ってる乗り物とよく似た形状だなぁ」ぐらいの感覚だ。だから市販車についてはほとんど知らない。「なんスかコレ」と言って指さしているのがサイドスタンド、といった具合だ。これは実話ではなく作り話であるが、それぐらいの無頓着さなのだ。

公道でチョロッと乗ったとしても、インプレっぽいことはほとんど語らない。「うーん、分かんないな」「攻めてないし」「十分じゃないスか」「楽しいし」てなものだ。オレのようなトーシローライダーが抱く「うーん、トップライダーたちはこのバイクに乗ったらどう感じるのかな〜?」といった好奇心が満たされることは、ほとんどないのだ。

彼らがハンドリングだ、エンジンだといったマシンの走行フィーリングについて本腰入れて答えてくれ始めるのは、感覚的には筑波サーキットで言えば1分0秒、ツインリンクもてぎで言えば2分0秒ぐらいからではないか。あくまでも「感覚的には」だけど。

じゃあそれまでの間、何も感じないかというと、決してそんなことはないはずだ。例えテロッと走っていたとしても、レーシングライダーの敏感なセンサーが何も感じないはずはない。

でも、彼らにとって「タイヤが2つ付いている乗り物」とは、ひたすら速く走るための道具であって、評価基準も「いいタイムが出るか出ないか」に尽きる。フィーリングなんつうものは(ある程度は)そっちのけで、いいタイムが出りゃいいってことだ。逆に、公道のようにタイムが出せない状況なら、「まぁ別に動きゃ何でもいんじゃね?」になるわけだ。

数年前、ホンダが日本のバイク雑誌編集長を集めて、RC211Vを試乗させたことがあった。その時の記事のトーンは、概ね「信じられないほど扱いやすく、とても乗りやすい」というものだった。

そのことを、当時RC211Vに乗っていた玉田誠選手に聞いたことがある。「とある雑誌編集長は『さすが4スト、パワーデリバリーは全域で非常にマイルド。その扱いやすさには驚いた』つうような記事を書いてたんだけど、実際のところそういうものなの?」と。

タマヤンは、間髪入れずにこう答えた。「誰スか? そんなこと言ってんのは。超ピーキーで、パワーもドカドカ出るから、すんげぇ難しいんスよ。2ストも4ストも大して変わらない」。もちろんこれは玉田選手ならではの感じ方だったのかもしれない。しかし、「誰スか?」(笑)。痛快っちゃあ痛快だった。

どこにズレがあるのか検証していったところ、走行タイムがあまりに違うからではないか、という結論に達した。そりゃあMotoGPマシンだって、クールダウンラップぐらいの雰囲気で流してりゃあ、「乗りやすい」と言えなくもないだろう。しかしあのマシンは限界を攻めていくための乗り物であって、レーシングライダーはその領域にだけ生きているのだ。

そんなわけで、「公道でビッグバイクをこんなに長く乗るのは初めてですよ」という真矢くんではあったが、住む世界があまりに違うのだ。RSV1000Rファクトリーに関しては「ケツ高! 街の中でこのポジションはキツいな〜」だったし、シヴァ750に関しては「エンジンすごく元気ですね! いやぁコレは速いな。え? 95ps? ……うん、十分ですね!」なのである。

レーシングライダーの中には「○○峠最速」みたいな、いわゆる「峠上がり」の人もいて、そういう現人神の公道鬼神走行はそりゃもう、すげぇもんだ。だが、真矢くんはそうではなかった。「公道、怖いですから」と率直で、安全には十分に気を配っていた。それだけ純粋培養レーシングライダーたちは、公道ではオレのような一般ライダーに近い、とも言える。

シーズン開幕を直前に控えている、というプロ意識もあろう。彼自身のマジメさもあろう。しかしそれ以上に、ていねいにバイクに乗る姿から痛切に感じられたのは、「バイクを社会的に認めてもらいたい」という思いだった。

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↑全ッ然純粋培養じゃないオレ。16歳でバイクに乗り始めた頃、サーキット走行なんて夢のまた夢。走り回っていたのは殺伐としていたストリートだった。「すり抜け命!」「シグナルGP命!」だったが、まわりがオトナになった今もそのまま(笑)。最近はあまり街乗りをしていないけど、少しはオトナになれた……かなぁ。街乗り最強のライバルは、何と言っても原付2種のスクーターだ。速ぇんだ、ヤツら。中でもAraiSHOEIのちゃんとしたヘルメットを被ってる連中は、マジッ速。あぁしかし。社会的認知度を高める、か……。それも大事なことだよなぁ……。うん、まずはクリックしてみることから始めようよ!

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コメント

YZR250、56秒台の彼が公道でどんな走りを、、、^^
千葉県を一緒に走ったんですか?いいですねー

投稿: ジョン19 | 2009.02.12 01:08

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投稿: “My”アフィリエイトスカウト事務局 | 2009.03.14 23:33

>ジョン19さん
千葉県(笑)。この時はまだ「ライダー復帰」してなかったので、指をくわえて見てるだけでした。ビッグマシン誌で中野真矢コラムの連載が始まっているので、読んでみてね!

> “My”アフィリエイトスカウト事務局・池田さん
アヒリエイツって何だかよく分からないので、できれば一度、入間市まで来て説明していただくわけにはいきませんか?

投稿: ごう | 2009.03.16 10:28

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