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さよなら松葉杖

ついに松葉杖とお別れする時が来た。

予定通り本日、主治医の先生は言った。「全荷重でいいですよ。松葉杖なしね」。骨の着き具合はかなり良好である。本日のレントゲンでは、それほど拡大しなくてもはっきりと仮骨が見えた。まだあちこちにドでかい黒い隙間があり、そこが完全に埋まった時に「骨がくっついた」と言えるらしい。それには程遠いが、偉大なる前進であることは間違いない。

そして診察後、リハビリセンターに行った。56日ぶりの松葉杖なし歩行だ! オレに襲いかかってきたのは感動、ではなく、激痛でやんの。えええぇぇっ!?

歩くと痛ぇんだ。マジで痛い。片松葉杖まではラクショー傾向だったから、松葉杖がなくなってもそれなりに歩けるものだと思っていたが、いやいやいやいや。かなりキツイ。理学療法士の先生には「もっと速く歩いて!」と言われる始末である。悪かったな遅くて。

思えば、我が右足の骨・筋肉・筋などは、39年にわたって働きっぱなしだった。歩き始めたあの日(いつ?)から、1日たりとも休まずに、常にオレを支えてくれていた。オレは彼らに感謝するどころか、存在を意識することさえなかった。支えてくれて当然だと思っていたのだ。

そして彼らは、骨折を期に初めての休息すなわちバケーションを得た。2ヶ月以上放置され、体重もかからず、くつろぎまくっていた骨・筋肉・筋たち。「おわーっ、伸び伸びするなぁ、オイ」「クーッ、この刺身うめぇな」などと温泉宿気分でぬくぬくしていたのである。

そこへ来て、突然61kgもの重みにさらされた彼ら。「なんだなんだなんだ?」とビックリしているだろう。「んだよ。重てぇじゃねぇかよ」「ヤダよ重いの。やめてくれよ」「痛ぇよ歩くんじゃねぇよ。オレたちゃもっと休んでいてぇんだよ」という叫び声が聞こえてくる。

すまぬ、おまえら。しかし頼む。もうひと頑張り。もうひと頑張りして、残り少ないと思われるオレの人生を支えてくれい。

歩き始めは特に痛い。バキャッと折れるんじゃないかという精神的な怖さは意外とないが、「いつつつつつ」とよろめく。序盤はまずまず歩けるが、後半になると痛みが増し、速度は徐々に遅くなるわ、つま先は外に開くわ、ヨタヨタのヨロヨロである。松葉杖を突いていた方がよほど颯爽と、スタイリッシュに歩けていた。実際、今のところ長時間の歩行ではどうしても松葉杖がほしくなる。あんなにウザかった松葉杖なのに、「お願いします松葉杖様。ボクの哀れな右足を支えてください」という気分になるのである。

ゆえに、しばらく外出の際には松葉杖1本を携えることになりそうだ。が、できるだけ使わねぇ。できるだけ歩いた方が、骨・筋肉・筋たちの復活も早いのだ。

でも使わないとヨロッヨロのヨタッヨタで、見てくれ的には過去最高に「足の不自由な人」状態である。松葉杖という負傷アイコンがあれば、「ああケガか」「治るんでしょうどうせ」「治りゃいいじゃん、治りゃ」「ケッ」といった一時しのぎ感があるけれど、松葉杖なしでヨロヨロ歩いてると「そういう人なのね……」と妙に優しい目で見られている……ような気がしてくる。

それは悔しい。「ぷーん、何ともないもんねー」とスタスタ歩きたい。「ぷー……」ぐらいまでは頑張れるが、すぐに「あつつ」「いつつ」とへこたれてしまう。痛いんだ、ホントに。

しかしですね、むしろ「これぞリハビリ!」って感じで、うん、ついに骨折を実感できたかな。今さらですが。今までは荷重をかけられない、という言い訳があった。松葉杖とかね。でも全荷重が許され、松葉杖が去った今、普通に歩けるはずが、歩けない。「うおお、オレ頑張らないとダメじゃん」と、思ったり、思わなかったり。まぁ、何とかなるでしょう。

車の運転も、バイクの運転も、「いいんじゃないですか」と言われた。しかしバイクは「転ばないようにね」と文字通り釘を刺された。髄内釘が入っている状態で再び頸骨骨折に見舞われると、骨は砕け、髄内釘は曲がる。曲がった釘を抜き取るのは一苦労らしく、「大手術になりますよ」だって。

前向きに考えりゃ「転んでも頸骨さえ折らなきゃ問題ない」ってことだけど、こればっかりは、どこを折るか分かんないわよねぇ。ちょっと考えてしまうわ。公道は全然問題ないだろう。もともと公道で転ぶのは御法度だから、そんな走りしないし。でも、サーキットはなぁ。(オレなりに)攻めていくからなぁ。ハイサイドとか食らったら、着地までの間に空中で考えるんだろうなぁ。「頼む〜っ! け、頸骨だけは! ス、スネの骨だけは折りたくないんでスネぃ!」と。

これで、よほどの動きがない限り、骨折の話は一段落にしたいと思う。いつまでも骨の話を読まされたところで、皆さんもつまんないだろうしね。1年ぐらいしたら髄内釘を抜くから、その時にでも、また浣腸。

最後に言っておきたい。立ったままズボンを脱ぎ履きする時、立ったままパンツを脱ぎ履きする時、あなたは必ず片足で立っているはずだ。足をズボンやパンツに通す時、そして抜く時、反対の足は必ずあなたを支えている。それ、実はかなりスゴイことだ。ぜひ、あなたを支えている頸骨に思いを馳せてやってほしい。そして時にはスネをさすりながら、「お疲れさま」と声をかけてやってほしい。それでも、折れる時は折れる。

最後に言っておきたい。あ、2度目だ。この骨折に関して、実に多くの皆さんにご迷惑をおかけし、そして温かく支えていただいた。心からのお詫びと、お礼と、いくばくかの現金を捧げたい。あ、現金ねぇや。ごめんなさい。

そして最後に言っておきたい。ウソ。特にないで〜す!

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↑つうわけで、すでにクルマにはブンブン乗ってる。バイクは、まずは自分的に普通に近く歩けるようになってから、少なくとも松葉杖にすがる気持ちがなくなってから、乗ろうと思う。サーキットはなぁ。そう考えると、クルマってぇのは本当に楽な乗り物で、バイクっつうのはつくづく健康のバロメーターなんだなあ、と思う。が、その反面、今日も主治医の先生が言っていた。「この仕事やってると、バイクの事故に遭った人を診ることがすごく多いんですよ。どんだけデカいダメージを負うか、よく知ってるからねぇ。乗ってみたい気もするんだけど、ちょっとねぇ」。皆さんもオレも、くれぐれも気を付クリック!

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コメント

全荷重おめでとーー

しかし写真はどれもすんばらしい笑顔だねー
きゅーきゅー車に乗れるのがよほど嬉しかったと見た(^_^)

投稿: わだ | 2009.02.04 15:53

闘病生活も一段落ですね、おつかれ様で・・

って未だに骨折の原因に触れてないですよね!?
このまま真相は闇の中に葬るのでしょうか(笑)

投稿: 青森の青FZS | 2009.02.08 10:14

>わださん
我ながらバッキャリ折れてる割にはいい笑顔だなぁ、と思いますよ(笑)。きゅーきゅー車は何度か乗ってるのに、何がうれしかったんだか。

>青森の青FZSさん
当然闇の中です!(笑)

投稿: ごう | 2009.02.11 20:36

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