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松葉杖の真実

間もなく松葉杖とお別れ。それはそれで少し寂しい。

忘れないうちに、松葉杖生活っつうのはどんなものだったのか、書き残しておきたい。いいのいいの。誰ひとり読んでくれなくても。別にいいの。書きたくて書くだけだから。あ、誰もいなくなった(笑)。じゃ、ひとり語りで自由に書いてみっか。

オレさ、松葉杖になんか憧れがあったんだよね。「あ、あの人ケガしてるんだ」って、アイコンとしてもものすごい分かりやすいさじゃない? 松葉杖って。「足ケガしてんだ」って、一発で分かる。すごい力。

もうひとつ憧れの「負傷アイコン」といえば三角巾だけど、腕まわりで言えば右肘と鎖骨を折ってるから、経験済みだったんだ。で、いよいよ松葉杖ですよ。39歳にして初松葉。どうなの?

11月9日に、負傷先で搬送された病院で言われたんだ。「松葉杖、買う?」って。「買う? 松葉杖を?」って聞き返したよね、意味分かんなくて(笑)。松葉杖って言葉自体、「ああ、オレホントに骨折ったんだな」って感じだったよね。「マジで折れてんだ」と。で、「やった!」とも思ったよ、正直。「ついに憧れの松葉杖だ」って。

で、医者が言うには、「普通は貸すんだけど、遠いし返送するのもめんどくさいでしょ。買っちゃいな」ってことらしい。なんかうまいことそそのかされた感じもするけど、実際松葉杖ないとどうにもなんないから、買ったよ、今どき珍しい木製の松葉杖。6000円。2本っていうか、左右セットでね。モノの割に意外と安く感じた。

それ以来、松葉杖なしじゃ生きていけなくなった。ウンコするにも松葉杖。しょんべんするにも松葉杖。またコレ系か。とにかく、松葉杖がなければケンケンで動くしかないんだよね。骨折ケンケン、すげぇリスキーでさ(笑)。床のちょっとしたコンディションですぐスッ転びそうになるんだ。スッ転んだら、再骨折とか、別の場所をケガするとか、いろいろめんどくさいことになる。だからもう、松葉杖。常に。

最初は、買った木製松葉杖だけ使ってたんだけど、外から帰るたびに雑巾で先っぽ拭くのがめんどくさくてさ。地元の病院で、アルミ製の松葉杖を借りた。1日60円。そう考えると、木製を6000円で購入って意外と高ぇな。まぁいいや。で、インドアで木製、アウトドアでアルミ製を使ってる。

面白いことに、使用感がまったく違うんだよね、木とアルミで。木は重いけど、すごくしなやか。体に優しいんだ。アルミは軽いけど、硬い。ちょっと頭痛がしてる時とか、ガッツンガッツン頭に響く。ホントは長距離歩くアウトドアで木を使った方がいいんだけど、いねぇんだ、今どき木の松葉杖なんて。ちょっと恥ずかしいから、外ではアルミ。見栄だ見栄。

バイクのフレームも似たようなもんだよね。鉄フレームは柔らかくてしなやか。アルミはガッツンガッツンに硬い。ホントは鉄でいいんじゃねぇかと思うけど、見栄とかカッコよさとか、まぁいろんな要素があるじゃんね。

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↑高剛性アルミ製松葉杖は縦剛性を従来より50%高めながら各部の肉厚を調整して最適化。意のままになるシャープなハンドリングを実現している(難波恭司さん撮影。松葉杖なしで浮遊しているのはカメラマンのヒデヨシ)。

だけどね、ハイスピード歩行しようと思うと、まぁハイスピードって言ったって十分に遅いわけだけど(笑)。やっぱりアルミ松葉杖の剛性感は捨てがたいんだ。木製松葉杖だと、しなやかさがウザくなってくる。まぁこのあたりもバイクのフレームと同じだよね。サーキットを鉄フレームのバイクで走ると、ヨレヨレだし。

松葉杖最大の難点は、手にモノを持って歩けないこと。これは盲点だったね(笑)。入院生活で気付いたんだけど、コップひとつでさえ持って歩けないんだ。両手、完全にふさがってるから。ひどいもんだよ、手にモノを持って歩けない生活って。人って、意外と手にモノを持って歩く生命体なんだなって、初めて知ったよ。

ビニール袋ぐらいはぶら下げられるけど、それも袋がガツガツ杖にぶつかって邪魔だったり、左右のバランスが崩れたりして気分悪い。出かける時はウエストバッグやリュックがなきゃ、何ひとつとして運搬できないんだぜ。サービスエリアとかで、うどんが載っかったお盆を両手で持って歩いてる作業着のオッサン見て、「うお、すげぇ!」って感動する。オッサン尊敬(笑)。「オレにはあんな高度なことはできねぇ!」って。

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↑何しろ手にモノを持って歩けないと、取材に出向いても足手まといなだけ。「あ、それオレが運べませんから」「それオレが持てませんから」の繰り返しだ。せいぜいこうしてストロボを構える……フリをするぐらいが限界であった(長谷川徹カメラマン撮影。この時はまだ右足を着地できなかった)。

あとね、遅い。これもスピード命のオレには結構致命的だね。遅いんだ、松葉杖。特に階段ね。駅でさ、1段ずつよちよちと階段を上り下りしてると、本当に情けなくなる。もっさりしたヨレヨレのサラリーマンのオッサンとかに余裕で抜かれてくんだぜ?「超ダサ」って思う。そして、疲れる(笑)。どうしても普通に歩いてる以上に上体を使うから、すげー疲れるんだ。

いじめられるっていうのも、結構大きいよ。レーシングライダー系の皆さんは松葉杖に慣れてるってのものあってみんな口さがないんだけど、特に○山浩(伏せ字になってない)。口撃はもちろん、松葉杖取り上げて投げ捨てたからね。芝生の上だったけどさ。「やーい、これでもう動けねぇだろー」って。実際動けない(笑)。悔しいですよそりゃ。

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XTZ125E feat. 難波恭司さん。この時の記事は、現在全国書店で爆裂発売中のヤングマシン3月号に爆発的に掲載されている。XTZ125Eは日本国民全員が買うべきバイク。難波さんも絶賛している。もちろんオレは松葉杖で乗ることはできず。こうして遊ぶ難波さんを、指をくわえて見てるだけ。間接的ないじめ(高島ヒデヨシカメラマン撮影。乗りたかったな〜!)。

いいこともあるよ。電車で席を譲ってもらえるんだ。特に右足を着地できずに浮かせてた時は、ほぼ100%の確率で譲ってもらえた。実際、片足立ちで電車に乗るのはとても大変だったから、ありがたく座らせてもらったよ。でも、右足を着くようになった途端に譲ってもらえなくなった。ハッキリしてんだ(笑)。見た目に「あ、この人大丈夫そう」って感じになるんだろうね。

あとは、子供受けがいいね。街を歩いてると、子供がずーーーーーーっと眺めてる。正面からオレを発見すると「オッ」と目を見開いて、オレが通り過ぎた後もずーーーーーーっと眺めてる。その時だけは「いいだろー。へへーん」みたいな気持ちになる。若干ね。

しかし子供、何考えてんだろうね(笑)。たぶん頭ん中は「あ」だけだろうね。せいぜい「なんだありゃ」とか。あとは「ぽかーん」。で、次の瞬間には忘れてる。

1月30日(金)から、片松葉になった。39歳にして初片松葉(笑)。これがキツイのよ、結構。正直、両松葉杖の時はラクなもんだったから、「リハビリもクソもねぇ、松葉杖が取れた瞬間からオレは普通に歩くぜテクテクと」と息巻いてたけど、いやーなかなかどうして厳しいね。足首、スネ、ヒザ、あちこちがミシミシと痛ぇ。真っ直ぐに歩いてるつもりでも、自然と左側に傾いてんの。そのかばいっぷりが実にカッコ悪いんだよね〜。「オレ弱!」って感じでさ。すげぇダサくてヤダ。

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↑たぶん2月3日(火)の診察で、松葉杖が取れる。どうも何事もなかったようにスタスタ歩くのは難しそうだし、正直、怖い。だけどまぁ、何とかなると思ってりゃ、何とかなると思ってる。え? 表現がダブッてる? マジ?「『(何とかなる)と思えば何とかなる』と思ってる」ってことなんだけど。3重カッコ。まぁいいじゃん、だいたいで(笑)。いいからクリッククリック! いいね、このダイレクトな甘え感。クリックしてよーん!!

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