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来季について考えてみる

来年は、AmaGP(アマチュアレース世界選手権)の最高峰・筑波ロードレース選手権TC600クラスに挑戦しようと思う。

……思ってるだけだが。

今年、草レース世界選手権シリーズの最高峰・筑波ツーリスト・トロフィーNMクラスを卒業し、一躍草レース界にその名を馳せたオレ。当然、草レース界の名門チームから多数のオファーが殺到し、ものッすごい額の契約金を積み上げられたりした(守秘義務により詳細は割愛)。

つまりオレには、草レース界に留まり、モナコ暮らしを満喫するという選択肢もあったわけだ。

地中海を望むバルコニーで、オレは白いバスローブを羽織り、ロッキングチェアに腰掛け、ヒザの上には白いペルシャ猫、左手でふわふわした猫を撫で、右手でブランデーグラスを揺らし、「パンパン」と2つ手を叩くと、シブい風貌の英国老紳士みたいな執事っぽい人が「ハッ」とか言いながらスッ飛んできて、
「お呼びでごじゃりますか、殿」
なんつって、
「むゥ……。時に越後屋、例の件じゃがのう」
「ハッ、抜かりなく進めておりますので、ご安心を。ナニ、やつも人の子、少しばかり積んでやったら、目玉を輝かせておりましたわ」
「ナニ? 積んだとナ? ほーっほっほ、越後屋、お主も悪よのぅ」
「ダーッハッハッハッハ」
「ゲホゲホ」
「これ、おきよ、おきよ!?」
おきよはその三日月型の唇の端からツッとか細く鮮血を流し、すでに事切れていた。白粉と深紅の対比が、おぞましくも妖しい。
「きよーッ、きよーッ!」
鬼とまで呼ばれた男の悲痛な叫びは、闇夜を切り裂き、月まで届いたそうじゃ。おしまい。

……何の話だっけ? とにかく、何ひとつ事実や有益なことを書いておらず、皆さんの目を汚し時間を浪費していることだけは確かだ。要約すると、成功を約束されている草レース界を去り、AmaGPにチャレンジする、というようなことが言いたいわけだ。

出るからにゃ
意気込みだけでも

さて、AmaGP・TC600クラスに参戦することを(自分の中で勝手に)決めたところで、まずは目標を掲げよう。「目標なくして達成なし」。これは、たった今オレが考えついたテキトーな成句である。

オレは、レースに出るからには勝ちたい。少なくとも、「勝つためにレースに出る」という意気込みを持って臨みたい。

「10位でもいいや」
「楽しめればいいや」

それはレースが終わってからの話だ。結果的に10位でも納得できる内容だったり、順位に関わらず楽しめた、ということはあるだろう。でも、「レースに出よう」と思った瞬間には、例えそれが他人から見て無茶でも無謀でも、勝ちを狙いたい。

……意気込みとしては。

だって、意気込みぐらいは真剣にならないと、面白くないじゃん。誰に頼まれるわけでもなく、自分の意志で競争の場に立つわけだからさ。現実的かどうかなんか問題じゃない。「オレは勝つぜ! ……少なくとも勝つ気だけはあるぜ!」って方が、ぜってぇ楽しいと思う。

このあたりの話は、前に感動巨編「楽しい草レース その1」「楽しい草レース その2」「楽しい草レース その3」の「楽しい草レース3部作」として、世界から爽やかな失笑を浴びたことは記憶に新しい。

とにかく、AmaGP・TC600に出るからには勝ちてぇわけである。

でも、どうなの? 正直、オレの今の実力からしたら、どうなのよ? というわけで、客観的かつ冷静な戦力分析を試みたい。

リザルトは冷酷

過去の筑波ツーリスト・トロフィーNMクラス参戦歴の中から、自分のベストリザルトを引っ張ってみる。予選ベストタイムは、2006年秋の1分4秒008。決勝レースタイムのベストも、2006年秋。12周を13分8秒017で走っている。(その時のリザルトはこちら。※PDFファイル)

この2006年秋の陣は、1分2秒台、3秒台をフツーに出す強者どもが大挙参戦。MotoGPを遙かに凌駕するハイレベルさに、バレソティーノ・ロッツも驚愕した伝説的大会だった。

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↑周りの驚異的な速さに引きずられるかたちで、遅いオレも思わず速くなってしまったわけである。今思い出しても、とてもいいテンションの中にいたぜオヨヨと目頭が熱くなる。……泣くこたぁないか。(写真提供:巨人・じゃない、巨匠・長谷川徹さん)

この時のタイムを、今年のTC600最終戦のリザルトにあてはめていこう。

TC600最終戦予選に出たとして、1分4秒008が出せたとすれば(究極的タラレバ話だなしかし)、5番手だ。2列目の真ん中になるのかな。うおっ、悪くねぇじゃん。

と浮かれていたのも束の間、決勝を分析してみると衝撃の結末が待ち受けていた。筑波ツーリスト・トロフィーNMクラス決勝は12周。一方、筑波選手権TC600クラス決勝は15周だ。そこでレースタイム÷周回数でアベレージタイムを出してみる。

すると2006年秋のオレは、1分5秒668/周で走っている。ずいぶん遅いのは、グリッドでの静止状態からスタートするスタンディングスタートだからだ。と、思いたい。これをTC600最終戦決勝リザルトにあてはめると、なんと12位。RTヒロが放つ期待の超新星にして上半身裸族の酋長・S村くんに敗れてしまうのである。

しかも、12周でさえヒーヒー言って、残り3周ぐらいからコントロールタワーをチラチラ見ては「チェッカーまだ?」「ねぇまだチェッカー出ないの?」「オレにチェッカーを!」「もっとチェッカーを!」と息も絶え絶えになっているオレが、15周のレースで今のアベレージをキープできるとは思えないのだ。

全然ダメっぽい……

まとめると、現在の自己ベストレースをしたとしても、予選5位/決勝12位がせいぜいで、恐らく体力的には決勝結果はもっと厳しいことになること必至。すなわち勝利など完全に絵空事、絵に描いた餅、画竜点睛、カッパの川流れ、カッパッパ、ルンパッパ、ちょーっと黄桜的に天高く馬肥ゆる秋、なのである。

恐ろしい。今より速いペースで、今より多い周回数をこなさなければ、勝利はおろか、上位進出すらできないのだ。

さすがはAmaGPの最高峰クラス! こうでなくちゃならん。うーむ燃えてきたぞ〜ズボボボーーッて、燃えてきたのはいいけどレースはいつだ? まだ筑波サーキットからは来季のカレンダーが発表されていないが、例年からするとTC600開幕戦は4月だと思われる。

あと半年。よし、やれるだけのこ……、え? 半年? あと半年もあるの? 6ヶ月も?

……じゃあ、ま、とりあえず、寝るか。

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↑7月のレース以降、サーキットを1度も走っていない。この写真は3月のレースの白熱バトルの模様だが、今となっては「これ誰? ぶへっ、オレ? これオレなの? オレが走ってんの?」ってなもんだ。まるで他人事。こんな世界にまた戻れるのか、不安……はあんまりない。(写真提供:アーティスティックダートトラッカー・高島秀吉さんことヒデヨシ。彼の直近のレースリザルトはこちら

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↑どうもこのボタンをクリックすると「魂ぶっこ抜かれるんでねが?」とか思ってる前近代的な人々が多いようですが、ハッキリ言ってクリックしたところでオレに何の利益もないし、あなたにも何の得もありません。「じゃあ何のためのクリックだよ」って話です。登山家ジョージ・マロリーは、「なんでエベレストに登るの?」「ねぇなんで?」「危ないじゃん」「なんで登るの?」「ねぇねぇ教えてよ」「なーんーでー?」と問われ、こう答えました。「そこにあるからだよッ!(Because it's there.)」。これです。この精神です。ジョージ、しつこい質問にめんどくさくなって投げやりに答えたってのが、ホントのところらしいです。それが「そこに山があるからだ」などと美しく訳され、名言化され、後世にまで語り継がれてしまっているわけです。「なぜあなたはクリックするのですか?」「ボタンがあるからだよッ!」。それでいいじゃないですか、それで。……それで?

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コメント

すごいですね。
来年が楽しみです。レースは体力勝負ですね。
私も実感しました。
まずは、ダートで走りこんで体力つけましょう。good
と、いうことでまずはしのいで水曜日の
秀吉先生のスーパーキャンプでお待ちしています。

投稿: てっさん | 2008.10.25 21:19

お久しぶりです。
熱い文章、読み応えがあります。

僕も6RRからR600に変えました。
相変わらずの遅さですが・・。


ところで先日大怪我?をしまして・・・。

しばらくサーキットどころか、バイクにも乗れません。
そもそも復帰出来るかも微妙なところですが・・。


前向きで頑張ります。


また筑波でお会いしたらよろしくお願いします。

投稿: r1plus | 2008.10.25 21:36

あーそっかー…。

草レース世界選手権の上には、アマチュアレース世界選手権があるのかー。

しかも『AmaGP』ってカッコイイ。

うーん。広くて深いな。その先にはきっと全日本ロードレース世界選手権とかありそーだなー。

よし、俺もまずは草レース世界選手権に復帰することにしよう(と思ってみる)。

セテも帰ってきたことだし。

投稿: ZABO | 2008.10.29 00:02

>てっさん
「すごいですね」って、何が?(笑) 何ひとつすごくないのがオレのすごさなのに……。今頃しのいでヒデヨシとグルグルしてるんでしょうね。行きたかったな〜。

>r1plusさん
ブログ拝見してました。大きなケガでしたね。言葉にならないです……。回復を祈りつつ、いつ自分にもそういうことが起こるか分からないんだよなぁ、と、改めて気を引き締めています。でも、きっと大丈夫。うん。また筑波で会いましょうね!

>ZABOさん
AMA(American Motorcyclist Association)ではありません。AmaGPは、Amateur Road Racing World Championshipのペットネームですので念のため。草レース世界選手権参戦の前に、1分6秒台ね!

投稿: ごう | 2008.10.29 14:11

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