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全日本モトクロスを見た

4月の最終週、川越・ウエストポイントで行われた全日本モトクロス第2戦を観戦した。

来場者数、4098万4000人

10年ぐらい前になるのかなあ、SUGO・桶川・広島で全日本モトクロスを取材したことがあるが、それ以来だ。

すげぇ久しぶりだが、印象としてはほとんど変わっていない。もちろん、何も変わっていないわけじゃない。ウエアはカッコよくなっているし、パドックも華やかになったように思う。マシンやライディングのレベルも上がっている(のだろう)。

でも、興行としての印象がちっとも変わっていないんだ。要するに、好きな人なら楽しめるけれど、好きじゃない人、関心がない人を好きにさせようとする意志や工夫があまり見られなかった。

この業界の端っこにぶら下がっていて思うのは、みんなすごく悲観的だということだ。「国内2輪市場は縮小衰退減少撤収敗北傾向にある」という負の考え方が出発点になっていて、「どうせオレらはマニアだし」「いいよいいよ分かる人だけ分かってくれれば」といった敗戦スネ夫ムードを色濃く感じる。

しかしですね、悲観する必要はまるでないとオレは思うんだ。だって今回のモトクロスの来場者は1万6000人だって話なんだよ、たったの。関東1都6県の総人口は約4100万人もいるんだぜ。だったら、4098万4000人の潜在需要があると思えばいいじゃん。

もし現時点での来場者4098万4000人、「さて、残り1万6000人を来場させるために何を仕掛けよう」ということなら、これは非常に難しい。でも、関東人口のたった0.003%しか来ていないんだぜ。ってことは、今は何もしていないも同然ってことだろう? 裏を返せば、何でもできるってことだ。

確かに楽観的すぎてバカみたいだ。「いやアナタ、実際の運営に携わってご覧なさいよ。お金がない、人もいない中で、何をどうしろって言うんですかい。赤字ですよ赤字。やればやるだけ赤字」って感じだろう。そんなこたー分かってる。でもさ、出発点を「99.997%の可能性が残されている」と見直せば、やりようはあるんじゃねぇかと思うんだ。

いまだ見に来ていない「99.997%の潜在的お客さん」に、どれだけ目を向けられるか。その人たちに対してどれだけ心を開いて、何をどんな手法で訴えかけ、どうやって満足させるか。そう考え続けて、そして具体的に行動し続けなければ、ただ漫然と同じことを繰り返しながら縮こまっていくだけだ。

「ねーねー面白いことやってるから、みんな見においでよ!」ってのがイベントの基本だろう。「みんな」の範囲を主催者側が絞り込んでしまっていたら、未来なんてあるはずがない。だってさぁ……。

……やべ話がそれた。勢いに任せて延々と続きを書いたけど、自分で読むのもめんどくせぇから削除。

長靴ぐらい持って来い

080503
↑予選が行われた4月26日(土)は雨。GPSサカイ氏は、のんきにフツーの靴でやって来た。なんかもう見てるだけでうんざりする写真だな……。しかもこの後、再びぬかるみを歩いた挙げ句、シャーシャーとオレのクルマに乗り込みやがった。「入間の蒼い稲妻」に、シャーシャーと!

まぁいいよ。翌日の決勝は晴れたしね。「入間の蒼い稲妻」の後部座席足元は泥まみれになったけど、いいっていいって。全然気にしてないから。

成田亮にヤラレまくり

全日本モトクロスは、午前中にヒート1、午後にヒート2と2レースが行われる。昼休みの間に会場入りしたので、トップカテゴリーであるIA1クラスの決勝レースはひとつしか見られなかったのだが……。

いやもう、感動した! 成田亮選手の走りに。

すっげぇんだ! 彼だけまるで違っていた。

1コーナーあたりで見ただけだったが、低いジャンプの着地直後、もっとも素早く、もっとも深くマシンを寝かせていたのが成田亮だった。しかも「ぇえええっ、そ、そこから!?」という、すんげぇ早いタイミングでアクセルを全開にして、滑らかにコーナーを立ち上がっていた。

土の上で、マシンが寝ている状態からアクセルを開ける? 滑っちゃうんじゃないの? と思うかもしれない。でもそうじゃないんだ。

もちろん、ただ寝ているだけじゃダメだ。ペロッとマシンが寝ているだけの状態でアクセルを開ければ、ロードだって滑る。でも、しっかりと速度が乗って、前後サスにガッツリと荷重がかかり、タイヤがグリップしている状態、つまり「準備」がしっかりできていれば、土の上だろうが何だろうが、アクセルを開ければ前に進む。

「コーナーの立ち上がりで、アクセルを開けて前に進む? 当たり前じゃん」

レーシングの世界では、これがちっとも当たり前じゃないんだ。コーナーを立ち上がることが、どんだけ難しいか!

(以前もそんな話を書いたな)

つうかオレのような世界草レースライダーと、世界GPライダーとの最大の違いは、まさに「立ち上がり」なんですよ。だってさぁ……。

……やべまた話がそれた。

とにかく成田亮だけが、ビューティフルなトラクションを発生させて、完璧にコーナーを立ち上がっていたのだ。マジで目を奪われましたねオレは。

他のライダーは細かいギャップでアッチコッチに振られている。必死こいて修正しながら走っているから、見た目にはすごくアグレッシブに見えるが、前には進んでいない。イライラともどかしい。

それに対して、成田亮のYZ450Fは、フラットな路面を走っているかのように挙動が滑らかで、ギャップを感じさせない。前に進もうとする力が、ギャップに勝っているのだ。

しかもライダーがマシンに勝っていて、異常に安定感がある。あらゆる操作が確信に満ちていて、自然だ。前輪と後輪の中心線上に真っ直ぐ体があって、ブレも力みもない。成田亮が走り去った後には、爽やかな後味だけが残って心地いい。何事にも引っかかることなく、すっきりと前進しているからだ。

バイクを速く走らせることのエッセンスが、彼のライディングには凝縮されている。そしてそのエッセンスは、カテゴリーにも路面にも関わらないことを見せてくれた。

細かいギャップで弾かれたり振られたりしない、どっしりと筋の通った推進力。うーむ人生もそうありたいもんだ。

カッコいいぜ成田亮!

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↑カッチョいいなぁ、と思ったところで、マネできねーんだよなコレが。オンロードもオフロードも関係ねぇ。スピードだスピード。オレにはスピードが足りねぇ。まずはスピード。ザッツ・レーシング!

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コメント

さすがです。プロのライターさんは見ている
ところが違いますね。

僕はジャンプばかりに見ていました。
ジャンプの中の姿勢をアクセルのオンオフで
修正するのには聞いてましたが、実際見てみて感動しました。
モトクロスって凄いなと改めて思いました。

確かに、ギャップは寝かせると気にならない?
ちょっと違いますね。coldsweats01

投稿: てっさん | 2008.05.04 22:15

う、うーん、なんだか僕へのメッセージが含まれているような。気のせいですね。

仰るとおり、ライディングの基本はひとつの考え方に基づいていて、それは路面に関係なく発揮できるべきですよね。その考え方は理解できるのですが、実際に走ってみると路面に影響されてしまう・・・。ライディングって難しいですね。
今度、ウェストポイントでオンロードと全く同じ走り方をしてみようかな。(^^;

投稿: よしちか | 2008.05.05 01:35

私は5日に秋ヶ瀬で「Daijirocup」を見てきました。


子供もオッサンも、
小さなサーキットを”マジ”激走。

裏方さんたちは、
駐車場でタイヤウォームしたりで、
これまた”マジ”。

4日前から秋ヶ瀬に乗り込み、車で寝泊りしている家族も・・。
チョット驚きでした。


今週末は筑波へ全日本見に行きます。

投稿: hiro | 2008.05.07 16:07

んだば、妄想。


ダラーっとマシンが走っている状態でイベントを続けても
GPだって滑る。でも、しっかりとファンサービスがあって、
新旧ライダーにガッツリと販促がかかり、市場が回転して
いる状態、つまり「準備」がしっかり出来ていれば、
NRだろうが何だろうが(以下略

投稿: かすにん | 2008.05.07 23:47

>てっさん
ジャンプ中はたぶんブレーキも使って姿勢をコントロールしてるはずですよ。「ジャンプ? 休憩時間だよ」なんつう話も聞いたことがあります。恐ろしいことです。

>よしちかさん
いやごめんなさい、ちかラインのことはまったく考えずに書いてしまった。まぁ全部に通用する基本があるのかどうかはオレにもよく分かんないですけど、速く走らせようと重うと、似たような部分が出てくるってのはあるんでしょうね。

>hiroさん
ミニバイクレースも見ていると相当にたぎるものがありますよね。今週末の筑波全日本、行く予定もあったんですが、福岡に行くことになってしまいました。残念!

>かすにんさん
あるプロライダーから「誰も見てなかったら、やっぱり走りもそこそこになっちゃう。応援してもらえるから頑張れるっていうのは、建前でもなんでもない」という話を聞いたことがあります。そうだよなあと思いました。

投稿: ごう | 2008.05.09 23:12

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