CB400SFとGSR400に乗った
ヨンヒャク面白ぇじゃねぇか!
というのが、率直な感想である。面白ぇし、十分だ。考えてみればバイクに乗り始めた高校生の頃、ヨンヒャクは一目置くべき存在だったのだ。CBR400FとかFZR400とか、とにかく400っつう数字が付けば、イコール凄まじいバイクであった。
59psもあんのか。ヤバ。ヤバイヤバイ。ヤバイでしょう。みたいな感じね。何がヤバイのかまったく分かんないけど。リヤタイヤ、110だってよ! 太! みたいなね。可変バルブだってよ!! 何だそりゃよく分かんないけどスゲー!! デデ、デルタボックス!? 高・剛・性〜ッ!!!! みたいなさ。とにかくバイク雑誌を見ては耳から鼻血を噴き出し、友達がヨンヒャク買ったりした日にゃあ、もうヒロインですよヒロイン。いや男だったからヒーローですよヒーロー。
ついでに言えば、その当時、ビッグバイクなんて言ったら…! もうスゴすぎて想像を絶していた。そうだな、「1兆万円」(そんな単位ねぇから)とか、「10000兆光年」(あんの?)みたいに、あまりのスゴさにリアリティがなくて、何が何だかもうよく分かんない世界だったのだ。
それがどうだ。みんなぜいたくになっちゃってさ。FZ1の国内仕様のスペックを見て「94psしかねぇ」「物足りねぇ」なんて言ってる人、あなたキュキュキュ94馬力ですよ! どんだけスゲェんだっつう話ですよ。オレのトランポ、サンバーは48psですよ。FZ1国内仕様の半分ですよ。オレの蒼き稲妻、インプレッサは250psですよ。勝ち〜。
今はシャシーやタイヤがちゃんとしてるから94馬力なんてたいしたことない扱いだけど、59psのバイクで鼻血ブーだったオレとしては、FZ1国内仕様でさえ、もう破格のモンスターバイクと言ってもいい。CBR1000RRとかYZF-R1とかGSX-R1000とかZX-10Rとかは、もう異常。難波恭司さんが「昔のGP500マシンとほとんど同等か、それ以上のパフォーマンスなんだよ」とよく言う。YZR500に乗って、98年日本GPでセカンドポールを獲得した男の言葉は軽い。違った。重い。
何の話だっけ?
ヨンヒャクか。ホンダCB400SFと、スズキGSR400の各08モデルに乗ったという話であった。
エンジンはGSRの方が猛々しくて、乗り比べると一瞬「こっちの方が速ぇんじゃねぇの?」と思わされる。回転上昇のフィーリングもスズキらしくドンガラドッピンシャンと荒っぽいので、迫力はある。なかなかの情熱派だが、高回転域では思ったよりも早く苦しみ始める。
一方のCBは超滑らかで、高回転域もストレスがない。完璧に制御されている電気製品みたい。そうだな、電車に乗ってるような感じ。味わいもクソもミソもない。いやミソぐらいはあるかもしれない。個人的にはCBのエンジンのクールな緻密さが好き。冷ややか萌え。
ちなみにCBは従来型とも乗り比べたが、最新モデルよりは少し荒っぽく、中間域では最新モデルよりも速かった。回していけば最新モデルの方が速い。いずれにしても差は微妙で、最新モデルが各種規制にキッチリ対応していることを考えれば、事実上すげー進化しているってことだろう。
CBのシャシーはふにゃふにゃ。ハンドリング自体はとても素直なので、峠でも思わずペースを上げたくなる。しかし調子に乗っているとアンジュレーションですっ飛ぶ。いや、すっ飛ぶは大げさでしたすいませんでした。振られて怖いのは確かなので、ソコソコで「や〜めた」という気分だ。ただ、ペースを抑えてタラタラ走っていても、思い通りになる精密なハンドリングは気持ちいい。スピードさえ求めなければ全然アリだ。
一方のGSRは、まず倒れ込み方に違和感を覚える。フロントがパタンと寝ようとしているのに、リヤがついてこないというチグハグさが気持ち悪い。この「フロントが寝たがるのにリヤが寝たがらない」という印象は、悪王B-KINGとまったく同じだ。要するにリヤタイヤが太すぎる。
シャシーはガッツリしていて好印象。ペースを上げれば上げるほどしっくりくる高剛性フレームがイイ。速度域が上がると、前後タイヤのバランスも意外と整ってくる。ドンガラズンガラと一生懸命回ろうとする「トルク押し出しタイプ」のエンジンと相まって、乗り手としても一生懸命走ってみっかという気になる。簡単に言えばスポーティだ。
本当に自分が乗りたいバイクに乗ればいい
そんなところかな(←書くのをめんどくさがっている。丸山浩さんによる詳細なインプレッションはヤングマシン3月号をお読みください)。冒頭に書いたように、ヨンヒャクは非常にいい。小雪舞い散る中、都内から西伊豆まで行ったが、ネイキッドにも関わらず特にストレスはなかった。高速道路も十分に速い。
何よりも、手の内にある感じがいい。ちょっとした押し引きもラクラク。おかしいな。高校生の時はあんなにビビッてたのに。パワーアップしてんのかなオレは、と妄想できる。
特にワインディングはすっげぇ楽しかった。言ってることが矛盾するけど、実はカッチリして飛ばしたくなるGSRよりも、フニャラカしたCBの方がワインディング速度域としてはシックリくる。つまり、危険な速度域まで飛ばす気にならない、という意味で。
飛ばすなら、ミスすることが前提に作られているクローズドコースの方がいい。ワインディングも、もちろんそれなりに楽しみはするけど、1000や600のスーパースポーツで目玉を四角にしていたら違った三角にしていたら、命がいくつあっても足りない。公道はワンミスが命取りだ。
だったら、400ccぐらいのアンダーパワー(それでも十分だって!)のマシンでいいと思う。前にニーゴーに乗った時はさすがにちょっと物足りなかったけど、ヨンヒャクぐらいがホントにちょうどいいね。車検がもっと安くなりゃいいのにな。
ヨンヒャクに唯一弱点があるとしたら、仲間と出かけた時にデッカイのに乗ってるヤツがいると、そいつに着いていけないことである。今どきマスツーリングなんかした日には集まるのはほとんどがビッグバイクで、ヨンヒャクが貧弱な坊やに見え、実際、アクセルのひとひねりで置き去りになる憂き目に遭うのである。これが悔しい。情けない。もう人生全否定状態で、帰宅したら夕暮れ迫る部屋の片隅での体育座りは必至である。
これ、バイクに乗ってる人なら「うんうんうん」とうなづいてくれると思う。バイク選びをする時に「周りの仲間が何に乗っているか」「それに対してワダスが買おうどスているバイクはどげんポズソンか」は、急速に方便化してしまうほど重要だったりするのだ。
くだらねぇ。いいじゃねぇか。置いていかれようが、何だろうが。知らねーよ他の人が何に乗ってようが。自分にピッタリ来て、無理なく乗れるバイクと長く付き合った方が、よっぽど幸せだよ。
オレ? ぜってぇ仲間うちで一番速いバイクじゃないと気が済まねー。
……と思ってましたけどね。最近は、「ぜってぇ仲間うちで一番速いライダーになりてぇ」。乗るのは、バイクなら何でもいい。とりあえずYZ8億モタード仕様で難波さんのタイムを抜くのが、当面の目標だ。
![]()
正月の下痢以降、体重が下げ止まらない。ついに最盛期から約7kg減少し、高校生時代と変わらなくなってしまった。この調子では、夏頃には30kgぐらいになるのではないか。そしたらミニバイクレースで子供に太刀打ちできるな。食欲も性欲も軒並み大幅ダウン。そしてランキングもダウンで、いよいよ枯淡の域に達してきた。何、クリックとな? うむ。したければ、なさるがよい。したくなければ、なすべきではない。すべては心の赴くままに……。
| 固定リンク
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/91489/40083472
この記事へのトラックバック一覧です: CB400SFとGSR400に乗った:




コメント