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XJR1300に乗った

丸1日、XJR1300(07)に乗る機会があった。ロードモデルはカウル付きばかり乗るオレとしては、あまり馴染みのないネイキッドモデルだ。

まずは「せんさんびゃく」という響きがどっしり重い。「せんさんびゃく」だよ!? スバル・サンバーは660ccだよ? 倍じゃん倍。バカデカすぎじゃないのエンジン。アクセル開けた瞬間に竿立ちするかホイールスピンするかあっちこっちすっ飛ぶか、とにかくまともに走れたもんじゃないんじゃないの?

いやしかし、馬力は100psしかない。……「しかない」って。今所有しているセロー(20ps)とCRF100F(9.8ps)を足して2で割っても、あ、割っちゃダメか。2台を足してもXJR1300の1/3程度だ。さらにサンバー(46ps)を加えてみても75.8ps。XJR1300には届かない。だがしかし、もう1台所有しているスバル・インプレッサWRXは250psだ。XJR1300の2.5倍。どうだ参ったか! ヘヘーン!

と、意味のない馬力競争をしてみたところで、走り出す。スルスルー。250kgもあるとは思えないほど滑らかだ。ほぼアイドリングぐらいの低回転域からでもスルスルーと走る。信号待ちなどで足を着いても、イヤな重量感、威圧感がない。「せんさんびゃく」とかいう割には軽快だ。「麻雀でもしろってのか!」と思わせるほどタンクは巨大だ。だがそもそもアップライトなポジションなので、腕のはるか下方でタンクがデカかろうがまったく気にならない。

めったに乗らないネイキッドだが、ラクチンですね。上体を起こしていられるのは非常にラクだ。眺めもいい。実際、常にハスッぱに上目遣いで「ケッ! まったく世の中はよう」と睨みをきかせ、周囲の交通を蹴散らしながらブイブイ走るスーパースポーツ系に比べると、ゆったりまったり鷹揚に、「まぁま、よいではないかよいではないか。苦しゅうない」という気分になる。大人物になったかのようで、悪くない気分だ。

しかし、しばらく走っていると、あちこち気になる部分が出てくる。まずはハンドルの位置。遠い。これは今年のフルモデルチェンジに際し、「スポーツ性を高める」というコンセプトに則り、軽い前傾姿勢を求めた結果だと思われる。でもさ、こっちはラクに乗りたいわけですよ、ネイキッドなんだし。なのにハンドル位置が遠いため、しっくりくるポジションを取ろうとすると軽い前傾姿勢を無理強いされるのだ。15〜20mmぐらい近くなると、座ってスッと手を伸ばした所に自然とグリップがある、という感じになるのではないか。

それからステップね。これは仕方ないのかもしれないけど、ステップに力を入れようとすると、低すぎて、手前すぎる。実際はそんなことないと思うが、膝が鈍角になっているように感じる。しかも普通にステップに足を乗せてニーグリップしようとすると、膝位置が低くエンジンのクソ熱いフィンに触れてしまう。つま先立ちするとちょうどエンジンのフィンを逃げることができ、しかもほどよく力を入れられて、くるぶしグリップも効く。オレならすぐバックステップを入れるなー。

ただ、いずれにしてもネイキッドはポジションの自由度が高く、いろいろ動けるっていうだけでもありがたい。スーパースポーツ系だとスポッとはまってそれっきりという感じだが、長時間乗るにはやっぱりケツをぼりぼり掻いたり鼻ほじったり立ったり座ったり屁ぇこいたりが自由自在にできるっていうのはいいね。

エンジンはおとなしい。よく言えば、最初っから違和感なく馴染めるが、悪くいえば存在感がない。パワーは十分だ。ガンガン引っ張ってブン回すというより、早めにシフトアップしていけば立派にスピードが乗っていく。このあたりも、青筋立ててヒンヒン回さなければならない600スーパースポーツあたりと比べると、大人物的風格があって悪くない。

ただ、高速道路をそこそこの速度で巡航しようとすると、やっぱり6速が欲しくなる。80〜100km/hあたりで5速巡航がちょうどいいのだが、この大人物的バイクで80km/hなんかで走っていたら、ぐーすか居眠りしてしまう。空冷のわりにエンジンが滑らかなのも、眠りを誘う要因だ。

風当たりが強くなり、適度な緊張感が出て「これなら眠らなくても済むぞ」という速度域に入ると、エンジン的にはそろそろ「自分頑張ってますから! 懸命っすから!」という雰囲気になってくる。それぐらいの速度域で6速巡航ができればいいのになー、と思う。ついでだが、風当たりと言っても、わざわざ八丈島あたりまで行って港の脇でヘルメットかぶってカッパ裂けそうになりながら行う台風レポートほどではない。軽く伏せれば問題ないし、何しろ車体が結構ガッツリしっかりしているので、不安感もない。

さらについでだが、被っていたヘルメットが空力系フルフェイスのSHOEI・X-Elevenだったのも大きい。カウル付きで伏せてしまうと分かりにくいヘルメットの空力特性だが、ネイキッドだと非常によく分かる。X-Elevenの高速域スタビリティはマジでいい。直進安定性指向が極めて高いので、頭を横に向けるのに「ふんっ!」と軽く力を入れる必要があるほどだ。高速カッ飛びネイキッド乗りにはオススメだ。

サスペンションは、前後とも硬い。これにはちょっとビックリした。ふにゃらかぶにょぶにょと柔らかくて「おめ気持ち悪ぃんだよ!」「だからネイキッドはイヤなんだよ!」「くんな。こっちくんな!」といった足まわりを想像していたのだが、意外や意外、ガッツンガッツンと突き上げが来る。ブレーキングや加速でも自然なピッチングを感じない。要するに動いている感じがせず、棒を走らせているような印象だ。

タイトなワインディングでは、サスが動いていない印象がより顕著だった。加減速による荷重の前後移動が感じられず、どうにも接地感が薄い。しまいにはかなり無理矢理なブレーキングで何とかフロントに荷重をかけようとし始めたりして。

しかしですね、XJR1300に対して「サスが硬い」と思うなんて、オレの感覚がおかしいんじゃないかと思ったわけです。今回は難波恭司さんが一緒だったのだが、「どう? XJR」と聞かれた瞬間は、人生において4番目ぐらいの緊張度合いだった。やっべトンチンカンなインプレしちゃったらどうしよう簀巻きにされて東京湾に沈められるかもしんねぇ、と思った。もちろん難波さんは「乗った人が感じたフィーリングが正解」「モノサシは自分。自分を信じなさい」という懐の深い人だから、そんなことはないわけだが。

ドキドキしながら足まわりの印象を伝えた。難波さんは間髪入れずに「でしょー!?」と笑ってくれた。標準セッティングには同じような印象を持っていたらしい。嗚呼よかつたよかつた。そんでもって、「これどうかな」と、推奨セッティングを施してくれた。前後ともによく動く方向のセッティングで、これがまたいい。入りがよくなった分、今度は伸びが強く感じたので微調整してもらい、かなり乗りやすく、快適で、峠も楽しい仕様になった。

翌日はタンデムシートで長距離を走ったが、ちょびっとケツが痛くなったものの、あとは特に何の問題もなく過ごせてしまった。なんともオールマイティなバイクだ。まぁ運転してくれたのが難波さんだから、ということもあると思う。何しろ加減速の妙なGや、シフトショックなどというものは皆無で、ワインディングでも平気で居眠りできる。例えるならロールスロイスに乗っているようなもんだ。ロールスロイスなんて乗ったことねぇけど。

バイクに乗って走ることだけが目的だと、エンジンも車体も正直物足りない。どこかに一発パンチが欲しくなる。でも、「バイクに乗ってどこかに行って何かをする」といった旅の相棒としてなら、かなりしっくり来る。オレなら高速がもっと楽になるようにアッパーカウル付けるでしょー、そんでポジションをもうちょい合わせたいからバックステップ入れて、ハンドルは純正のままちょっと倒せばいいかな。でもって荷物載せたいからパニアケースを付けるなー。

……FJR1300?

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コメント

タイトル変わったのね♪

投稿: 銀ちゃん | 2007.09.10 18:22

タイトル変わったの!?

以前は確か・・・

「世界は俺達を待っている。Y.M.O.はもう古い」

だったよな。  いや、でしたよね。

投稿: スネークマン | 2007.09.11 12:43

>銀ちゃんさん/スネークマンさん
タイトルとかデザインとか、ちょこちょこ変えています。なかなか「コレ!」と決められない優柔不断さが炸裂しています。

投稿: Go | 2007.09.22 17:57

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