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CRF100F、シェイクダウン!

ついに新車CRF10000000Fをシェイクダウンする時が来た。興奮のあまり0が多すぎた。CRF100Fだ。08モデルである。でも今は2007年。おかしいじゃないかって? つまりオレのCRF100Fは、未来の世界のネコ型バイクなのだ。

ダートトラックは準備も後片づけもラクチン

納車されたのは忘れもしない2007年7月1日。川越のモトロマンで購入したのだが、それ以来、エンジンをかけることもなく、大切に大切に保管していた。8月22日にもてぎ・ダートトラックスクールに行ったが、このスクールはレンタルマシンを使って行われる。そんなこともあってなかなか走らせる機会がなく、2ヶ月以上が過ぎてしまった。

もう腐っているのではないか。カビているのではないか。ミイラ化しているのではないか。酸化還元反応により電子が授受されているのではないか……。恐る恐るカバーを取り外すと、そこにはピカピカピカピカピカピカに輝く新車のCRF100Fがあった。当たり前っちゃあ当たり前だが、うれしい。

今回は普通のスポーツ走行。もてぎのダートトラックは筑波サーキットのようなピット争奪戦もないし、9時半から走行開始なのに9時を過ぎても受付のコントロールタワーが開かず、走行しようとしている人たちが「おいおいいつになったら開くんだよ」と多少不安になったタイミングを見計らったかのように係員のお兄さんがのっそりとやって来るので、「おお、やっと来てくだすった」「ありがてぇこってす」「お兄さんたちが受付をしてくれるので、あっしらもこうして走れるってもんです」と、必要以上にありがたい気分になる。

要するにロードに比べると異常なまでにのんびりまったりとしていて、そのユルさがなかなか心地いいのだ。実際、走行準備もそれほど時間がかかるわけではない。今回一緒に走った友人Hydeも、9時半にほど近い時間に登場したかと思いきや、瞬く間にFTR223を軽ワンボックスから下ろし、あっという間にパンツいっちょになって着替え、さっさと走り出してしまった。

ついでに言うと、「ダートトラック」という名称からして、「どうせダーティになるんでしょ」「泥だらけになるんでしょ」「ボクはシティ派だから、土汚れなんて許せないんだよね」という人も多かろう。

しかしダートトラックの場合、コースを保全するため、雨が降ったら原則的に走行しない。晴れた土の上ってぇのはそんなに泥汚れにまみれてしまうワケでもない。そりゃ細かい砂ぼこりみたいなのはくっつくけど、ヌタヌタでも平気でぶっ飛ばすモトクロスやエンデューロの汚れ度合いを16842とすれば、だいたい4.157ぐらいだろう。よく分かんないが、まあそんなもんだ。だから「ダート」という言葉のイメージから想像するよりも、はるかに後片づけもラクラクなんですよ奥さん! 準備も楽、後片づけも楽、今ならおまけでもう3セット付けちゃうよ! という感じなのである。

ダートトラックマシンは異常

さて、オレには大きな使命があった。新車CRF100Fのシェイクダウンである。揺すって落とすのである。エンジンはかかるのだろうか。フレームは折れないだろうか。タイヤは回るだろうか。不安は募る。

何しろ100ccとはいえ立派なレーサーである。思えば新車の競技専用車両を買うのは、1994年、CR80R以来の快挙である。最近まで所有していたYZF-R6は、結果的にサーキット仕様になったが、元々は普通の公道車両だ。しかしやっぱり競技専用車両は雰囲気が違うね。イイ。転んでナンボのダートトラックであるが、オレとしては「今日転んだらもうダートトラックやめる! だって素晴らしき競技専用車両・CRFがボロボロになっちゃうもーん」ぐらいの緊張感であった。

見てほしい。何たるカッコよさ。フルサイズモトクロッサーをも凌駕するカッコよさだ。うーんカッコいい。これはマジで「カッコいい」としか言いようがない。なぜならカッコいいからだ。

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え? 何かチッコいって? ちんまりしてんなーって? 乗ってみ。いいから乗ってみ。ダートコースの上で。謝っちゃうから。CRF100Fに。ごめんと。ナメてましたと。あんたすげぇやと。何しろ、ケニー・ロバーツ御大が「おめぇらえぇが!? ロードレースで勝づにゃあ、ダートトラックさやらねばなんね。ほんでな、ダートトラックさやるってけなら、シャクがええど、シャクが」と、CRF100Fを推奨しているのだ。訛りはウソだが、言っていることは本当である。

それにしても異常なまでのカッコよさを見せつけているこのマシン、実際に異常である。まず、リヤタイヤにイボイボがない。普通の公道用のタイヤだ。カブとかが履くようなものらしい。こんなので土の上を走ったらどうなるか、チャリンコ好きな小学生でもすぐ分かるだろう。さらによく見てもらえば分かるが、ハンドル右手部分にあるべきものがない。そう、フロントブレーキレバーがどっか行っちゃったのだ。

しかしこれがダートトラックマシンの基本仕様である。リヤタイヤ、ツルツル。フロントブレーキなし。基本が異常なのだ。ダートトラックの写真を見ると、たいていの人は「うわこんなにリヤを滑らせるの!? これ無理。オレ無理。絶対できないあるよ」と、ニセ中国人化するのだが、何しろ異常マシンなものだから、テールスライドなんつうのは起こるべくして起こっているだけで、驚くべきことではない。驚くべきなのは、CRF100Fのカッコよさなのだ。

ナラシにも関わらずガシガシ転ぶ

さて、最初はナラシである。サービスマニュアルを見ると、「慣らしは25kmか1日」みたいなざっくりしたことが書いてある。もてぎでオレが走るトラックは1周200m。25km走るには、えーと250÷200で1.25周すればOKだ。ラクショーだな。違う。25000÷200で125周か。そんなに回ってられっかっての。ダートトラックのスポーツ走行は15分×4本で1枠。1周15秒としたら、1本で60周。ゲ。すげぇ。予想以上に回れるな。125周も全然不可能じゃねぇぞ。

余談だが、この異常な周回数の多さが、強烈な反復練習になるのだ。楕円のコースを走るため、60周すればざっと120回のコーナーリングをしていることになる。減速、向き変え、加速というバイクのコントロールに際して純粋に必要とされるプロセスが、恐ろしい密度と地獄的なしつこさで繰り返されるのがダートトラックの魅力のひとつである。

とか言いつつ、エンジンをかける。キック1発、かからない。2発目、かからない。やべぇ。終わってるか? そして3発目。ブルン、ブルルン。きゃー! エンジンがかかった! いやもう感動ですよ。今日はもう帰ってもいいぐらいですよ!!

しかしもてぎくんだりまで来てキック3発でエンジン始動をさせて大満足で帰宅するっていうのも、人間として小さすぎる感が否めない。そこで苦渋の選択として、コースを走行することにした。

最初のうちは各ギアを使ってゆっくりと走行。エンジンも重ったるい。クーッ、緊張するぜー! 何しろ転んだらダートトラック終了だからなー。2本すなわち30分ほど走行したところで、いったんエンジンオイルを交換した。

で、ぼちぼちエンジンも回りたそうな雰囲気になってきた。行くぜ行くぜ行くぜ。昼休みを挟んだ2枠目の開始だ。行ってやるぜ! 吼えろ100cc! 解き放て9.8ps! と勢いに乗って、15分×4本ともヘロヘローと走行。てっへへ。だって転んだら終わりだもーん。

と思っていたが、この午後の走行あたりで確か転んだ。いや、転んだというのは語弊があるな。オレの場合まだまだバイクをバンクさせるタイミングが遅いので、コーナーの真ん中あたりで一番バンク角が深くなり、しかも減速しすぎで速度は遅く、どうにもこうにもこらえ切れなくなり、そっと置いた、そっと地球にキスさせた、という感じであった。

そんな転倒……じゃない、接地が2回。ホントはいったんコースアウトしてすぐさまCRF100Fの全身をチェックし、ホコリを落とし、いたわり、肩を揉み、一風呂浴びてもらってから再走行したいぐらいの気分だったが、残念ながらダートトラックコースにバイクと一緒に入れる風呂はない。仕方がないので涙を拭ってから、また走った。

そして3枠目。締めくくりだ。行くぜやるぜ吼えるぜ! と、まったり走行。ウソ。一応回せるだけは回したつもりだけど、何しろライダーがヘボいので、100cc・9.8psのポテンシャルをフルに発揮できていないのだ。これは冗談でも何でもない。ダートトラックの恐ろしいところだ。

おまけに軽いハイサイドを起こし、CRF100F様を放り投げてしまった。最後までCRF様を手放してはいけなかったのに、「やべ」と思った瞬間に、きっぱりすっぱりと諦めてしまったのだ。

無惨にもダートコースの上に転がったCRF様。まさかこんな光景を、シェイクダウンのその日に見るなんて、夢にも思……ってたよーだ! だってダートトラックだよ? 土の上をツルツルのリヤタイヤで走ってんだよ? 転ばないわけないじゃん。転ばない方がおかしいんだって。まったく。

とりあえず悪夢のシェイクダウン・デイは終わった。オレは震える手を押さえつけながら、CRF100Fのコンディションを確認した。タンク、OK。シュラウド、OK。ハンドル、OK。やった、無傷だ! 合計4、5回の転倒を喫しながらも、CRFはその苦難を乗り切ったのだ!

フレーム右側、ピボットの辺りはブーツで擦れた跡が付いてしまったが、それは栄光へのステップと言えよう。アウト側の足(左旋回だけをするダートトラックでは右足)でがっつりと荷重をかける必要があるからだ。

そんなこんなで新車シェイクダウンに気を取られた雰囲気が濃厚な1日で、走り的には特に進展は見られなかったが(←他人事風味)、マイマシンでダートトラックを走ることができて、ようやく何かが始まった気がする。……何が?

やっぱり競技専用車両はいいね! スポーツ走行するためだけに生まれてきたマシンっていうのは、例え100ccでも、例え9.8psでも、独特の雰囲気がある。きっと転倒を繰り返してボロボロのズタズタのニチャニチャのブチョブチョになってしまうのだろうが、シェイクダウン・デイの感動をオレは忘れない。と、思う。

今週末は、ダートトラックオールスターレースだけを見に日本GPに行こうかと。贅沢〜!

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コメント

いらっしゃ~い(三枝風)

上達の早道はとにかく練習。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐ~るぐる・・・
回り続ける事によってキミも美味しいバターになれるのです!!
▽・エ・▽ わんっ♪

投稿: ドアボーイ | 2007.09.22 11:45

ぐるぐるぐるぐるぐるぐるしても、なっかなか思い通りに走れず、悔しい思いばっかりです。やっぱ練習するしかないですよねぇ……。

投稿: Go | 2007.09.22 17:53

練習にィ、行きたいか~!!?(福沢風)
水曜日に会おう。

投稿: 桃内 | 2007.09.24 00:19

新車CRF10000000Fの封印が解かれた今、ぐるぐるを止められるモノは何も無い!
ってトコロですかねー。
ご自分のモノですし、尚更?

投稿: 1000敗 | 2007.09.24 15:00

>桃内さん
キミに、幸あれ(福沢風)。あ、でも福沢はあんまり好きじゃないです。水曜日、楽しみにしてます。

>1000敗さん
CRF1兆F、実は自分のものだからこそ遠慮がちでして。思えばレンタルマシンに対しては遠慮がなかった。ヤバそうな時は何のためらいもなく放り投げてました。早くマイマシンに対してもそんな強気な態度になれるよう、精神的にタフにならねば。

投稿: Go | 2007.09.24 17:13

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